幻灯会

今宵、此の円卓を囲む者たちは誰?

神田の片隅、西神田の公民館の一室で、今回の西藏踏査の一端を皆さんに報告する機会を得た。
三ヶ月間で撮影した電子画像データは約30ギガ分。その中から踏査経路に従って主要な画像を選び出し、電脳上で時系列単位毎と主題毎に取り纏め、電子幻灯軟件に取り込んで上映する。帰国直後のこともあるし、コトバより雄弁な画像を選定したので解説は極力省略。
電脳式幻灯は小生初めての試みであったが、南千住の珈琲屋バッハ御夫妻がその場で淹れてくださった美味しい珈琲の香りや、親しくしていただいてゐる皆さんの暖かな視線に助けられ、約230枚の幻灯を連続的に2時間以上、無事上映して報告する事が出来た。
辛抱強く最後まで付き合ってくださった皆様方に、多謝感謝。
上映後には鶴岡先生による「ユーロ=アジア世界芸術文明交流研究会(仮称)」発足構想の発表も有り、今後その広大な領域のどの一端に協力できるかを模索して行くことになる。極東と極西のあいだ、東京上海と倫敦巴里の間、でもこれでは愛蘭土が入らないか。。。
洋の東西を鳥瞰するためには、言語の障壁を容易に超越する芸術要素からのアプローチと、考古文物の照合が有効であらう。装飾芸術を手掛かりに、ケルトの表層に封じ込められた深層の解明や、ジョイスの言語表現に抽象された観念の抽出に果敢に挑戦されて来た鶴岡先生の世界観には、注目すべき観点が無数に鏤められてゐる。
また、今回は観客に徹していただいた中島氏も、別方向のベクトルで芸術文化論を展開されており、事象分析の明晰さは定評が有る。これらの知性に、小生の踏査情報を注入し、さまざまな知性の主催者である言叢社や『自然と文化 そしてことば』を継承された眞島氏らの編集力で援護していただければ、幼年期を終はらせる推進力を得る事が出来るのではないか、などと勝手に妄想。
とまれ、新たなる混沌を生み出す為にも、此の種の知の撹乱は歓迎すべきことかと・・・

図説 ケルトの歴史―文化・美術・神話をよむ (ふくろうの本)

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古ヨーロッパの神々

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文化のなかの野性―芸術人類学講義

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