書籍

本とは、無限に堆積してゆくものだ

一年に本をどれほど読むか?
都会よりも地方都市に多く存在する、郊外型の、みてくれだけはやたら巨大な本屋。その中身を見れば大半は雑誌と文具、そして実用書を除けば、いったいどれほどの「書籍」の名に値する本たちと遭遇することができるのだらうか。「本屋」とは名ばかりで、実態は巨大な「うつろ」であるものが殆どなのだ。
神田の古書街を彷徨ふ時、いつのまにか五感を駆使して書籍を探査してゐる自分に気付く。特定の書籍探査を行ふ時も、あてどなく彷徨ふ時でも、古書街を行き交ふ人々の気配や古書独特の匂ひ、堆く積まれた書籍の杜の奥深くに鎮座する古代の神官のやうなかむばせをした店主の視線。個々の店が持つ独特の空気は皮膚感覚で感知できるが、往々にして店主の背後や近くに荒れた並べられた高価な書籍の醸し出す雰囲気を、如何にして瞬時に察知するかは客人の能力次第だ。
今回は折角の神田詣でにも拘らず、古書探査の時間は全く無かったが、次回は丸一日を費やして・・・

吟遊書人―神田神保町古書街ガイド (毎日ムック)

吟遊書人―神田神保町古書街ガイド (毎日ムック)