畳男

神たりうる存在

異常な寒さの続くなりけり。
我が潜伏せる招待所の床面は木貼りであり、その冷ゑ込みは相当のもの。勿論、彼の国の如くオンドル式暖房ではなく、壁面のいと高き所に空調機器が設置されてはゐるものの、宇宙の法則に因って暖気は空間の上半分に溜まり、机の足下には冷気が流れたままてう状況が出現するワケだ。因って、椅子から立ち上がれば頭部は温泉でのぼせたやうに熱せられるものの、下肢は冷ゑ症のやうに冷たいままてうアンバランスが生じるのだ。こんな毎晩がそろそろ2ヶ月を越ゑやうとしてゐるワケだが、慣れきってしまう頃にはどっかがおかしくなってゐるに違ひ無い。
だの何だのかんだのと、良く考へなくとも贅沢な話だ。環境が違へば、その環境や条件に応じた不満や不都合が発生してくるものなのだらうが。普段なら隙間風吹き来る自宅陋屋の畳の上で、西藏人の大衣にくるまって火鉢を抱へ白い息を吐いてゐることだらうが、今年の冬の異常な寒さを考へると、自宅に蟄居してゐたら今頃既に凍死してゐたかもしれない。さういふ意味では何者かは知らぬものだの、朝日さまだのに感謝せねばならんワケだ。
(−_−)
いっそこっそりと畳でも持ち込んでみるべーか・・・

六畳和室大改造男の基本