冬なれば

摩天楼と雪雲

秋の大気の擁壁で限界まで堰き止められてゐた冬の寒気が臨界を迎へ、文字通り堰を切ったやうに列島に雪崩れ込んだやうな冬の急襲。
寒さは屋外工作に勤しむ我輩の足下から忍び寄り、指先を凍へさせる。いと寒きに、爪先用の使ひ捨て懐炉など靴底に忍び込ませ、しばし冷気を遮断する。思ってゐたほど使用感は不快ではない。次は「貼る」タイプを使ってみやうかな。
(~0~)
今宵の歯医者(第4回)は珍しく患者少なく、ほぼ30分かけていろいろあれこれ処置される。先づは前回懇ろに根治したりける部分のセメントを穿ち、金属芯用のサイズに拡張。噛み合はせ為に上下それぞれをアルギノプラストで型取りし、深部に薬品を詰めて来週まで三度封印。次の瞬間には次回に予定されてゐた、別のポイント治療に移行。金属製のクラウンを取り去らむと、これまた周辺をひゅむひゅむと削ってからペンチのやうなもので挟んで取り去らうとするもののなかなか取れず、挙げ句の果てには鑿のやうな工具を差し込んでトンカチでガンガン叩く。それでもクラウンは外れることなく、更に激しくガンガンと叩かれて、脳髄が麻痺し脳漿が撹拌されて意識が朦朧とするかの如し。やっとこさ単管除去されるや否や、再びひゅ〜んマシーンでアグレッシブに削られて、やうやう状況が把握された模様。どことなくおろしゃのマトリョーシカを連想させるふくよかな歯科助士に命令が下される。
「レーザーやっといて」
(-_-;)
思ふに、この歯医者ではかなり積極的にレーザーを使用する気配だ。聞けば歯周病スポット周辺の殺菌や麻酔を必要とせぬ切開手術、歯石や沈着色素の除去などなど、応用範囲が広いのが特長らしい。今回は約3分間かけて、矢張り除去したクラウン縁辺一面から口蓋の一部まで、可成り広範にかけられた様子。その感触を形容することは少し難しいが、痛いでもなく圧迫感でもなく、何か極めて微弱な電極で撫でられてゐるやうな、静電気で静かに焼かれてゐるやうな感じ。其ノ後は先生がやってきて、ほんのちょこっと薬を塗る。これは医者にしか許されていない行為らしい。更にはレーザーをかけた範囲に抗生剤かモノフルオロリン酸ナトリウムか何かを塗布して終了。助手曰く、「30分くらいはものを食べないでくださ〜いね」と、コトバの妙なところを伸ばす謂ひ。実際何か薬品が妙な味で、苦ひでも甘ったるいでもないが決して美味しくなく、しきりに唾液が出て食欲は約三分の2に減退。
(T_T)
締めて今夜は1940円分の治療行為が行はれたてう仕組みにて候。
(- + -)
夕方から降り出した雨は夜になってかなりの雨量。時折轟く雷鳴は、まさに冬の到来を告げるもの哉。
こんな夜のBGMは、エンヤのアマランタイン・・・

アマランタイン

アマランタイン