西域記

生田神社の鳥居にて候

関西へ。
工作所提供の招待所から、最寄りの電車駅までは歩いて2分ほど。通過する電車は多いが、停車する普通列車は少ない。基幹駅まではたった5駅だが、2駅行く毎に急行だの特急に追ひ越される為、意外に時間がかかることを知る。基幹駅は超級巨大駅舎で、そこから関西地方に向かふ方法はいくつか有るが、今回は(も?)新幹線以外の方法を模索する。期待してゐた高速バスは、予約組と当日分は既に売り切れで、JRではなく、私鉄快速乗り継ひで一路西へ。
大阪に着いたのが10時頃であり、そこからは阪神急行にて神戸方面へ。一駅毎に、大震災直後の光景が蘇る。三ノ宮で下車し、変貌した駅前大交差点周辺を浮遊。週末で賑やかしひアーケード街を彷徨ひ乍ら、南京町方面へ。中華街の路上には至る所に行列が出来ゐて、その行く先は豚まんだの肉まんだの。かつて横浜中華街で同様の風景を見かけたが、人々の目的とする豚まんが500円だのと偉大な価格であることに驚嘆したものだが、今回は800円なる超級価格を発見。いったい何が入ってゐるのだらう?
勿論そのやうな高級志向の行列には加はらず、元町駅前に舞ひ戻って屋台の「キャベツ焼き」を買って立ち喰ひ。1枚100円也。ネギ焼きのキャベツ版といったところで、腹持ちも宜し。其ノ後は本来の目的である学術シンポジウム会場へ。県庁辺りを多少迷ひ乍ら上り下り、やうやう辿り着けば既に開始後。旧知の顔や各種師匠、日常工作の朋友や我輩の天敵的学者の顔などもちらりほらり。どことなくまとまりのない感じの発表がいくつも続き、いまひとつ焦点の定まらない集会であった。閉会後は懇親会や師匠のお誘ひを断り、一路奈良を目指す。とその前に、関西到着後キャベツ焼きしか食べていないことを急激に思ひ出し、三ノ宮辺りで遭遇したラーメン屋へふらり。そこはどちらかてうとちょこっと苦手な豚骨系の店だったけど、注文した「せうゆラーメン玉子のせ」は空腹分をさて置いても大変美味しく、スープまで殆ど飲み干したほど。満意のうちにJR火車駅から、大阪で快速に乗り換へて奈良方面へ。1時間半ほどかけての奈良入り。木枯らし吹く駅前の寒さは尋常に非ず、予想して着てきた薄っぺらのコートでは足らず、隠し持ってゐたマフラー巻いてももの足りず、震ゑながら、例によってなかなか来ないバスを待つ身に辛き置き炬燵、思はず普段は買ったことのない暖かい缶コーヒーなど飲んでしのぐ。
さて、今宵の宿舎は例の如くY.H.であったのだが、3年前とは雰囲気も違って改修された様子。いまひとつハラペコハムニダが治まらなかった為に近所の商店について尋ねると、3分ほど歩いた先にコンビニがありますとのこと。出掛けてみるとそこはドリームランド入り口で、ファミレスだのその他の食堂だの、奥手には「森のコビト」なるラブホさへ揃ってゐるではないか。こんな山中に違和感有る風景だったが、便利さは否定できず。
今宵は招待の知れぬ若者達の群れがいくつも宿泊してゐて、遅くまでしきりに廊下を往来してかまびすしい。同室は東京からの旅行者1人であったが、挨拶や世間話もそこそこに夢の中へ・・・
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夢の中へ ― ベストアルバム