C'est la Vie, c'est la vie.......

シヤチホコ瓦なりけり

結局昨夜は着替へもせずゑひもせず、Gパンにトレーナーのまま布団にくるまって眠ってしまったのだ。
TVも付けっぱなしで、台所の電気も昼行灯。いったい何時頃眠ったのやら、定かではない。
ふと気付くと、TVでは「題名のない音楽会21」が始まらむとしてゐるところだったが、今朝は先日天に召されし本田美奈子の追悼特集。見るだにか細き体躯なれど、その声は誠に天使の如く。1曲目の「つばさ」*1を歌う彼女の表情。全身で表現されたその情緒。透明なハイトーンの、ロングボイス。寝惚け眼も一瞬で吹き飛び、思はず起き上がって聞き惚れてしまう。2曲目は「もみじ」だったが、残念乍らデュオお相手の錦織健の声質とは相性悪く、いまひとつ。次は「私のお父さん」(プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」より)、オペラ歌手とは全く違った世界が展開し、これまた引き込まれてしまう。4曲目はTime To Say Goodbye 、これが布施明とのデュオだったが、これまた布施君とのハーモニーがいまいちで、残念。彼女の魂が余りにもPUREな存在である為、彼女とのデュオには相当の力量と感性と明晰さが必要なのだ。最後に本田美奈子メドレー。アイドル時代の「1986年のマリリン」にはじまり、ミュージカル時代の代表作「ミス・サイゴン」の「命をあげやう」、そしてクラシック世界に果敢にアプローチしたプッチーニの「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」に至る珠玉の名曲の数々。白血病で既に彼女が此の世を去った事実を知ったうへで聴くこれらの歌世界は、歌詞も表情も実に示唆的で、改めて本田美奈子てう存在の希有さを思ひ知ることになった。
(-_-)合掌
其ノ後は長期留守を想定した各種準備に追はれ、長閑な暖かい日差しの下、観葉植物の植ゑ替へ*2や、金魚メダカの餌の案配、ハーブの剪定や食材の選定、電話の停止申し込みや各種配線の案配などなど。これまた昼まで実に慌ただし。
昼一で帰路に出て、郵便局で転居届出してみたり、ホームセンターでパンジーだのビオラだの石竹だの何だの選別してみたり、いつものルートをやめて1号線をひたすら走行。途中都会の領域に入ると、方々でかなりの渋滞。或る処では大学祭で通行人多く、また或る処では競馬帰りのヒト多く、また或る処では予告も無く道路工事で停滞し、また或る処では接触事故にてガラス片路上に散乱してのろのろ運転となる始末顛末。
(-_-)ピゴナムニダヨ・・・
工作所及び現場事務所で計画していたいくつかの懸案を作業消化し終ゑた頃には日もとっぷり暮れ、休日で混雑する巨大超級市場で購入した弁当らしきものをてきとーに食べて夕食と見なし、タラソ溶かし込んだ浴槽に沈没せり。
N響アワーではN響海外公演の様子、ウィーン楽友協会大ホールに響く武満徹の音楽。そしてリヒャルト・シュトラウスの「最後の4つの歌」。其ノ後の芸術劇場はプッチーニの「蝶々夫人」ハイライト版だったが、ヘンリー・ムーアの大理石彫刻を思はせるシンプルなオブジェの置かれた舞台演出はともかく、ぼろ切れつなぎ合はせたやうなヒロインの着物?だけはいただけません。いや、いけません。
はよ寝るべし!
(-_-)


LIFE~本田美奈子.プレミアムベスト~(初回限定盤)(DVD付)
天に召されし天使の声よ

*1:「つばさ」 作詞:岩谷時子、作曲:太田美知彦

*2:この夏はずっと外に出したままでおいた鉢だが、見てくれが元気な割に幹が傾ひてゐるのでおかしいなと思ったら、案の定、根本土中には無数のコガネムシの幼虫が棲息しており、太い根を痛めてゐたのだ。土を全て外に出し、篩でふるってカウントしてみればその数17匹! これでは植物もひとたまりもあるまい