無情てうこと

ルーシー!

予想外の雨、ほぼ終日。
天気図上は日本列島に高気圧が並んでゐるが、その中心がちょっと北に偏っただけで、南岸沿ひはこの有り様だ。屋外工作なので、テントに吹き込む雨に体が濡れて、体温が奪はれる。先週までは2リットルでも不足がちだったお茶が、今天は1リットルボトルの半分も減らなかった。夕方、朋友の下宿先で熱いシャワーを浴びて疲れを癒したが、帰路の車内にヒーターをかけたのは、この秋初めてのことだった。長袖のトレーナーを引っ張り出して来たのも、今宵が初めて。
秋、既に深し。
(-_-)
今天の工作は、化学薬品と闘ひ。強烈な有機溶剤は揮発性が高く、吸引して体に良いワケがない。古代を未来に引き継ぐ為、現在の知恵の象徴がこれら化学薬品だ。高松塚古墳の壁画が、ちょっと前の「最新技術」に因って劣化を加速させ、未来に引き継ぐばかりか現代の延長上における存続をも危うくさせてしまう。時空の偶然性の間隙で現代にもたらされた古代文物も、現代人の浅はかな知恵の恩恵を受けて滅び行く。それもまた、無情で非情な歴史の必定かもしれないが、刹那の当事者はなかなか辛ひものなのだ。それとて千年の後には、取るに足らぬこと・・・
(-_-)
深夜に及んでも冷たい雨、止まず。

地獄の季節 (岩波文庫) モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)