走行する人生

賢者の石はいにしへびとの意志?

再び大走行。
といっても、今回はワゴン車の助手席なので(即ち便乗組)、前回ほどの緊張感も開放感も無い。前回が12日の月曜日で、今回も月曜日。統計的に、月曜日の長距離走行が多い。理由は簡単明瞭。
今天も天気晴朗にして、冷房をかけない車中はかなり暑い。
前回同様、高速を乗り継ぎ、先づはお猿の里の研究所。そこはお猿さんにとっての天国か、はたまた地獄かは安易に判断出来ないが、先生にはいにしへびとのお届けもの。
奇しくも猿山の山頂は、先日訪れたいにしへのお山。山頂に更なる山を築くべしとて、いったい何人の人々がいくばくの石や土を運び上げたのだらう。累々たる石の並びは、いったい何を語ってゐるのだらう。撮影工作中の朋友を煩はせ、情報聴取。おまけも頂戴し、山頂にて恐縮の図。恒例に因り、山腹の大密寺院に詣でて下山。
昼下がり、今天の陽光は肌に厳し。其ノ後は大幹線道路から更に高速に乗り、第二目的の大学校へ。これまた今年二度目の母校にて、愉快な後輩と会合し、食堂から体育館周辺を見学し巡り歩き、昔の片鱗と現在の変化を再確認。後期初日にて構内を浮遊する学生数異様に多く、寧ろ違和感を感じるほど。
矢張り此処でも、いにしへの石槍や剥片無数に預け、大先生と徒然を語らふ。25年前、確かに我輩は此処にゐて、その時々のいにしへの文物を撫でてみたり書物資料を繙く日々を過ごしてゐたのだな。そんな「わたくし」は、いったい何処に行ってしまったのだらう・・・
黄昏を待たず、先生や後輩に別れをば告げ、朧気なる記憶と地理感覚を総動員して周囲の田舎道を徘徊逍遙しつつ、みたび高速のヒトに。余力を振り絞り、いにしへの上海由来の大学校、社会人に広く門戸を開く図書館彷徨した後、帰路に就く也。
(- + -)
人生は永遠に、いにしへびとの呪縛との戦ひと、居場所探し哉。

熊の敷石 (講談社文庫)

彼岸明け哉