冬瓜の夏

夏こそ冬瓜喰ふべし!

ところが、問題は冬瓜なのだ。
カボチャは如何様にも調理可能であり、和風の煮付けにしても西洋風にグラタンだのプリンだの、個性は強いものの可成り応用の利く素材だ。実際三日かけて、かなり大きなカボチャを一人でむしゃむしゃむしゃむしゃと、半分食べてしまったほどだ。
でも、世の中に巨大な冬瓜はいくらでもあるので、今回カボチャと同時に頂戴したものは中くらいの大きさと言ふべきであらうが、調理をしても現在は我が身の周囲にお口は一つ。そんなにむしゃむしゃむしゃむしゃと、大量に喰へるものでもない。
(-_-)ふむふむ
言ふまでもなく冬瓜は「冷」の食べ物であるので、この残暑の暑気払ひにはもってこいの野菜だ。例へば、如果、良質の金華火腿(ハム)と帆立の貝柱、それにフカヒレだの烏骨鶏のガラなどが有ったなら、それらで時間をかけて上湯を作り、刳り抜き飾り彫刻を施した冬瓜丸ごとをじっくり蒸して、広東風の料理を作るところだがさうも行くまい。
幸ひごくフツーの鶏肉が有るので、三分の一はいっしょに煮付けて食べやう。残りはさうだなー、大きめなサイコロに切って軽く湯がき、ナーベラーみたく豚肉と味噌炒めにしてもいいな。それとも、皮剥き大きめに平たく切って、フライパンで焼いてダイコンモチみたくして食べるのもいいかもな。無い脳髄を絞ってみると、そこそこいろいろな調理案が出てくるものだな。
いずれにせよ食べるのは自分だから、今晩より数日間、新たなる人体実験の開始にて候。
(-_-)うむうむ
それにしても今朝はことのほか涼しく、たいそう快適な空気で御座ゐました。

第4番のカデンツァが、乾いた空気に優しい響く午後。