古典的=前衛的?

オシャレなテレビくん

今宵は古典芸能鑑賞会。
第1部は、大蔵流狂言師である茂山逸平・童司の狂言風掛け合ひによる司会で進行されて行った。先づは半能「石橋」:観世流による演目だが赤獅子が3人+白獅子1人の計4人の獅子が出る風変はりな演出。打ち合はせが今ひとつ揃はなかったが、興味有るものだった。
次なるは舞踏「新版酒餅合戦」:酒と餅の喧嘩に大根が割って入るてう、これまた実に風変はりで滑稽な演目。長唄と清元と義太夫がそれぞれの役に配され、時に掛け合ひ、時に競り合ひ、最後は大団円の大合奏。唄も踊りも素晴らしい出来で、これは全く白眉であった。
最後はをどり、「三枚続廓賑」:新潟・古町芸妓連、京都・先斗町芸妓連、江戸・若手舞踊家連中による競演。艶有り、賑やかで華やかで、やがて寂しき鵜舟哉。三都市に伝はる端唄・小唄・座敷唄の数々が、さまざまな舞踏で彩られたりける。
やいやい、これはこれは、秋の夜の綾錦。誠に贅沢な時間を過ごすことが出来まして候。ちなみに、第2部の歌舞伎「船弁慶*1、勿論「義経」に因んだ演目であり、中村富十郎中村吉右衛門中村梅玉の超豪華な配役だが、今回は第1部の雰囲気を大事にしたかった為、パス。豪華過ぎて、ちょっと重すぎたかも・・・
(-_-)満足
日中は脈絡無く、非常持ち出しの詰め替へ、バイクの洗車、報告書の解析、カボチャのポタージュ(冷たいの)作り、三線の手入れなどをしておりましたけど、(-_-)なにか?

X & Y

などと言ひつつも、其ノ後の「芸能花舞台」、特選・伝説の至芸3「初世・松本白鸚*2の「勧進帳*3(抜粋)は最後まで見てしまったのだ。七世松本幸四郎を父とする三兄弟(長兄:十一世市川團十郎、次男:八世松本幸四郎即ち後の白鸚、三男:二世尾上松緑)の一人として戦後歌舞伎の画期を成した大役者。これも「義経」繋がりなれば、さすがは白鸚の当たり役、これほどの弁慶はなかなかあるまじよ。ゲストは白鸚長男の松本幸四郎であるので、生々しき舞台裏話も知ることが出来、これまた満足。
(−_−)今宵、余は満足じゃ

*1:泣く子も黙る河竹黙阿弥の作。今年は初演から120年てうことになってゐるらしい。静御前平知盛の荒ぶる霊の二役を演じ分ける中村富十郎、ただ者ではございませぬ

*2:没後23年なりき

*3:言はずもがな、歌舞伎十八番の筆頭にて候はば、安宅関における弁慶と富樫の山伏問答、花道での飛び六法などなど、さすがぁ堂々十八番、見所満載だぁね