愛国懸念、隣国失念

和む?

かつて大陸全土を席巻した文革の嵐は、さまざまな功罪や取り返しの付かない傷跡を人民にもたらし、周恩来毛沢東の死や四人組の更迭によって幕を下ろした。たった10年で、過去二千年分の精神文明的蓄積を灰燼と化し、人類史上初めて「革命」てう名の文明退化を現実化したのだ。そんな文革中、年若き紅衛兵達によって勇ましく唱へられた標語が、「造反有理、革命無罪」であった。
今回大陸諸都市で挙行されたデモこと「游行」で若者が唱へてゐた標語は、「日本有罪、愛国無罪」であった。所謂政治的城市である北京における游行に意外感はなかったが、さすがに経済的巨大城市である上海での大規模示威行動は意外であった。有没有奇怪的対抗意識? やはりこの背景には、電脳網に因る自律的情報浸透と同時に、盲目的狂信的な煽動的色彩に満ちた間違った愛国心の喚起が潜んでゐたのであらう。電脳網世界ではだうしても埋伏する悪意が優先的に作用して、発露してしてしまうのだ。北京の破壊行為に対する日本国政府の厳重抗議にも拘わらず、今回同様またはそれ以上の被害を半ば黙認した中国政府。彼らにしてみれば「日本はこんな目に遭って当然なのだ」「責任は日本に有るのだ」と本当に信じてゐるのだし、さう思ってゐるうちが「華」だ。この問題を放置すれば、「五・四」を経て「六・四」頃には天安門事件がみたび再現されることになるだらう。
既にカリスマを持たない現代中国のこと、残された方法は対内的には武力による制圧、対外的には仮想敵国への徹底的非難以外には無いだらう。でもそれは、偉大尊大な中華自らが招いた災いなのだよ。それを覚悟の上で、もっと激しく、気が済むまで日本を非難するがよろしい。
それにしてもすでに各地の中国領事館に、カミソリやカラの薬莢送りつけてみたり、せめて我々日本人としては、さういふ知能程度の低さを露呈してしまうやうな幼稚な行為だけはヤメませうぜ。
(-_-)どやさ?!
中国共産党対外路線の検証―「文革」以後20年の混迷と矛盾

愛欲人民21世紀

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