春色無間

「無間道」の完成度の高さは脚本に由来するものかな、などと思ふ。ネタ不足の聖林（ハリウッド）が買うのも頷けることだ。黒社会と警察の相互潜伏、「臥底」十面埋伏故事をここまで緊張感以て作り上げた技量は天晴れ。劉徳華と梁朝偉の存在感はさすがで、儚さをも感じさせるその演技は南方中華人独特のものだが、曽志偉と黄秋生の存在も大きい。女性の存在感に乏しい作品だが、陳慧琳の楚々とした演技もたいしたものだ。因みに黒社会の頭領である曽志偉のアジトは、「新警察故事」でも舞台になった有名な酒巴。ボッティチェリの春の女神と船を逆さまにしたやうな天井構造が印象的な店。いろんな電影に出てくる店だ。監督は劉偉強、脚本は麥兆輝。「無間序曲」に次ぐ「終極無間」も当然拝見いたします。
因みに我輩の香港的朋友の名前は黄偉強、劉徳偉、鐘慧儀、陳琳明、劉峻懿などでありますが、どれも明星類似級でややこしや。
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春色濃厚、天空黄砂。霞立つが如く遠景や天空の太陽は黄色くけぶり、青春の風情。満山芽吹き、じきに山嗤ふ頃となりにけるかも。
それにしても発情中の猫、一晩中五月蠅い！
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