夢の浮き船

いにしへのまどろみ運ぶ

ひよひよと おばばの押し引く乳母車
赤子乗せ 寒空の下 何処へ行く
老ひたる者をして 陽光あふるる縁側に眠らしめよ
幼き者をして 暖かきうつぼ舟にて夢見させよ
ひよひよと まどろみ運ぶは乳母車
すべてはうつろひ行く幻の中
霧立ち靄湧き霞たる
夢とうつつの狭間にて
永久に行くは
乳母車哉