来るなら来い!

天気晴朗果樹冬眠

寒さ和らぎ、日中は暖かさを感じる。
謎の来訪者有り。室内で電脳工作に励んでゐると、庭の砂利を踏みしめる音。縁側越しに眺めてみると、見知らぬ初老の男性が一人、庭に停めてある軽自動車の脇からしきりに玄関方面を覗いてゐる。風貌からすれば村人と思はれるが、我輩の記憶にない人物である。さほど不審な様子も感じられなかったが、どこかよそと間違えたのだらうか。声をかけやうかとも思ったが、何とは無しに帰って行ってしまったので、真相は謎だ。それが午前10時過ぎのこと。次に見知らぬおばばさまがやってきたのは午後2時頃のこと。これまた砂利を踏む音に気付いて眺めると、ちょこっと腰の曲がったおばばさまが中庭でぐるりと家の様子を眺め回してゐる。何かぶつぶつと独り言を言ってゐるやうであるが、当然聞き取れない。暖かだったので玄関は開け放してゐたし、庭には自動車も自転車も有る。おまけに洗濯物が軒先に干してあって、家の中には音楽が響いてゐるてう状況にもかかはらず、そのおばばさまも数分を待たずに出ていってしまった。これで終はれば今天は安泰であり、Xファイルやトワイライトゾーンに類するやうな出来事では無かったてうことになったのだが、3人目の来訪者が夕方に有った。
穏やかな黄昏時であり、洗濯物を取り込まむと台所方面に回り込んでゐたところ、みたび砂利を踏む音。今度はでぶやの如き中年のブタ男であり、矢張り見知らぬ人物である。今度は庭に出やうとしてゐたところだったので面会したが、ブタ男曰く「今日はあんた一人かね?」とぞ。我輩応へて曰く「一人住まいにて候」と。するとその男は「ふ〜ん」とか何とか云って踵を返して行くではないか。以前に大胆にも町内会費を徴収に来たブタ男とどことなく似てゐるやうな、さふでもないやうな気もするが、よそ行きの恰好をしてゐるワケではなくサンダル履きであることなどから近隣に住まいいたす者と見受けられるのであるが、とにかくこの言動は謎であり、朝方からこの種の謎の来訪者が続いてゐることを総合的に考へると、我輩が知らぬ間にどこかでクーデターが起こってゐるか、惑星直列が起こって地磁気逆転現象が起こったのか、宇宙人が近所の住民を装って我輩の身辺環境を探り偉人の誘拐を企ててゐるか、厚生年金の未納がばれて身辺調査が開始されたか、村で一揆が起こらうとしてゐるのか、地上げ屋が偉人の居宅に目を付け始めたのか、集団窃盗団もしくは村人劇団の予行演習かのどれかに相違ない。警戒すべき、由々しき事態である?!のかも、さふでないのかも・・・どっちやねん!?
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