あってもよいこと、ならないこと

冬なのに・・・

「あってはならないこと」。極めて不快な表現だ。
何か不祥事や事件事故が起きる。関係者や責任者が記者会見を開き、報道関係の取材者達に向かってしきりに頭を下げてゐる。その時のコメント発表の場で、しばしば使われるのがこの表現だ。小学生が同級生を殺めた。直ちに校長の発したコトバが、これだった。自動車部品の欠陥が原因で、次々に車両火災や交通事故が起きる。責任者のコメントがこれだ。
「あってはならないことが起きてしまった」 だからどうだてうのだ?!
この文章に謝罪の意味は含まれていないワケなのだが、皆さん勘違ひされてゐるやうだ。大型雑貨店が放火され、店員の若者が焼死した。責任者曰く、「あってはならないことが起きた」。そんなことはわかってゐる。だからどうだてうのだ!?
これは例の「遺憾」としばしば併用されることがあって、不快さが倍増どころか二乗されるのだ。
「あってはならないことが起きてしまい、遺憾なことだ」
だからどうだてうのだ!?! 我々の聞きたいのはそのあとのコトバであって、遺憾だのあってはならないだの、そんなことはどうでもよいのだ。そんなことさへわからないのだらうか??? こんなことさへわからなくなってしまってゐるのだらうかしらむ???? ワケのわからない奇妙な表現方法の多様は、言霊を死に至らしむるのだ。「あてはならないことだ」とは、おまじないのコトバではないのであり、このコトバさへ唱へれば恩赦が与へられるワケでも、物事が終結するワケでもないのだ。
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