バルカン的なる

天の光芒

スタートレックエンタープライズ」を見ているが、予想より遙かに面白い展開だ。所謂「ファーストコンタクト」から「宇宙大作戦」に至るまでの物語りなのだが、ミスター・カトー(ヒカル・スールー)以前にも佐藤星(リンダ朴)てう女性通信士官が乗船してゐたことがわかる。ミスター・スポックはバルカン人と地球人の混血だが、宇宙連邦結成以前の初代エンタープライズ号にはトゥポルてうバルカン人女性(ジョーレン・ブラロク)が乗船してゐて、これがなかなか美人で個性的でよろしい。宇宙船内のデザインは全体的に暗めの照明で、潜水艦を連想させる隔壁のデザインも有って、宇宙航行草創期の背景が意図的に工夫されてゐる。架空の物語りだが各シリーズの時代考証は詳細まで検討されており、マニアを生みやすい番組だなと思う。以前にディープスペースナインでがっかりさせられた記憶もまだ新しいが、今回は可能な限り見たいな、とぞ思ふ。
先日はイギリスだったかどこだったか、スタートレック狂いの夫がアパルトマンの内部をホンモノの宇宙船さながらに改造し尽くしてしまい、コスチュームまで着込んで番組世界を追体験してゐるてう報道を見た。再現されたセットはネクストジェネレーションのもので、当人はジャン・リュック・ピカード船長になりきってゐたやうだが、次に現れた奥様の困ったやうな顔つきや雰囲気、メイクがとってもバルカン人風なのに苦笑してしまった。彼女もすでに夫のコスプレ世界に引き込まれてゐる結果がこの風貌であるのか、もとからかういふ顔をしてゐたのかは不明である。
我輩が如何に熱心なトレッキーであらうともなからうとも、願望はさておき、居住環境を宇宙船内部のやうには改造したくないし、バルカン人になりきりたいわけではない。物質転送システムは欲しいかも・・・ それにしても高等種族であるはずのバルカン人であるが、風貌も含めてかなり原始的要素を多く残した文化内容に設定されてゐることも解る。SFで描かれる超未来世界が往々にして古代原始の風景に近づいて行く傾向が有るが、わからんワケではないな。我輩の生活が原始的なのも、未来方向に赤色方偏を起こしてゐるからに違ひない。
どう?
(-_-)