違和感カット

こんなん出ましたけど、なにか?

「テープカット」てう行事が有る。
何かの開通や開店、開催や開始などと言った、「開」にまつわる行事によく登場する。行事の関係者や、所謂お偉方などが並んで紅白のリボンを金のハサミでカットするてうパターンが多いのだが、いつ見ても違和感に満ちた行事だ。稀に偉いヒト一人で行う場合も有るやうだが、複数人の場合が妙だ。カットすれば理野陶然とばかりリボン(テープ)は垂れ下がるか落ちるワケで、大仰に白手袋をして金色のハサミを持った当事者が来客者達の拍手を受けながら拾い上げるのもマヌケな仕草だ。そもそも落ちる場合とは、一繋がりの区間を同時に複数人で切った場合に起こり易い。右利きのヒトは一般的に左手でテープを持ち支へることが多いワケで、カットしたあとテープを持ったママにしておくべきなのかどうか、判然としない。それでは、カットされたテープを落としたままでよいのだらうか? この場合何が本来有るべき姿なのかがよくわからんので、これ以上の微に入り細を指摘せず。(-_-)?でも、こけら落としの場合は落としたママで良いのでせうか???(-_-)???
話のついでに、まうひとつの違和感。結婚式などの祝宴で、参列者達が立ち上がり手に手にシャンペングラスなどを持って乾杯することがある。誰かが音頭を取って「かむぱ〜い」などと言ってグラスを掲げ、徐に飲み物に口を付けるワケだが、大抵はゆっくり味わうヒマもなく、乾杯後すぐに拍手が始まるだらう。一体誰があのやうに迅速に拍手をし始めてゐるのか? 眼前にテーブルが有る場合は、そこにグラスを置いて拍手をすればよいが、誠に気忙しきことである。しかし、ギャラリーなどでの展覧会のオープニングでは最小限の机しか無い場合も多く、そんな時には床の上にグラスを置いたり、グラスを持ったまま手首で模擬拍手をしてみたりと、煩はしきこと甚だし。「乾杯」を文字通り実行すれば、飲み物を飲み干すことであるが、果たして乾杯後の拍手は必須であるのかどうか、甚だ疑問だ。
このやうに、西洋由来の形式的行事には日本人の体質・体型・仕草・風俗・習慣・慣習にそぐはないものが実に多いが、そんなことを健気に忠実に、違和感を感じつつも忠実に行ってゐる日本人こそ、世界遺産無形文化財)級だらうな。さふ云へば昔、洋食屋で皿に盛られて出てきた御飯を、フォークの背に乗せて食べていませんでしたか?!
(-_-)