空想家

明晰なる

毎日空を眺めて暮らしてゐる。
雲の動きや雲の形、太陽の動きや光りの具合、夜明けの様子や暮れて行く様子、黄昏や日没や月の動き。暮れたりける後は様々な星の輝きや、不審な飛行物体の動きや光点の動向、星座の配置や天の配剤などなど、見飽きることが無い。
思へば中学生の頃、既に空ばかり眺めてゐる様子が担任に知られ、何か障害が有るのではないかと審問されたことがあった。3年の夏休みに、撮り貯めてゐた雲の写真を分類整理して提出したら呼び出された。理科の教師、我に問ひて曰く、「誰がこれを作った?」と。直ちに「我、作れり」と答へたりけるに、教師大ひに訝しがり、家庭訪問の折り家人に当件を尋ねたりける。家人、理由もなく教師に謝る姿を見るに付け、その日より人間不信となり今に至れども、課題作品は地域の大賞をを受賞し、なぜか万年筆と油絵セットと百科事典を貰った記憶がある。学校に出入りしてゐた業者が、いろいろな賞品を提供してゐたことに起因する奇妙な組み合はせであった。(-_-)。。。
今日の夜明けは夕暮れのやうな趣だったが、黄昏は夜明けの如き風情であった。