イカン合戦

東夷は東夷なりに断固抗議せよ!

先日の中国原子力潜水艦に因る我が邦の領海侵犯事件は、予想通り曖昧模糊とした結末を迎へた。
台湾の通報によって原潜の存在を知った日本国は、海上警備行動を発令して追尾したてうことになってゐる。事実の確認と称して、領海を出て行くまで原潜の国籍を特定せず、相互の了解が取れたのか誰かの許可が下りたのか、かなりの時間を置いた後に「中国であった」との発表。海上警備行動などてう大仰な名前の割に、緊張感も精鋭さも感じられない対応の数々。挙げ句の果てに外務大臣のコメントは、例によって「遺憾なことで、厳重に抗議する」だ。駐在の中国大使を呼びつけての抗議と苦言は、言ふまでもなく儀式的なもの。外交は或る意味以心伝心阿吽の呼吸だから致し方ないが、中国側の公式見解も「遺憾の意」の表明に終はった。
ところで「遺憾」とはだういふ意味か? 辞書的には、[思ひ通りにいかず、心残りなこと。残念。気の毒]とある。ここには謝罪の意は含まれていないのであって、誠に個人的かつ内観的かつ内省的文言であることがわかる。もとより、東夷の戯言に対して、大中華の権化である中国政府が素直に謝罪する可能性がゼロであることは、火を見るより飛んで火に入るより富士山が噴火するより人類がバルカン人と遭遇するより隕石に当たって路上で頓死するより?明らかなことである。そんなことは二千年もつき合ってゐればわかりさうなことなのだが、政治家様達には通用しない常識らしい。だから「遺憾」などと訳のわからない気弱さなど表明せず、「なんてうことをするのだ!」と声を荒げて抗議すれば良いのだ。いずれにせよ中南海は鼻であしらうだらうけどね・・・
(-_-)
そいでもって、台湾は陳水扁総統のコメントも面白かったな。我々の通報が日本国の平和維持のために役立って、大変嬉しい・・・てうやうなことをおっしゃっておられたが、これもまた極めて中華主義的な発言であり、頼もしひ限りで御座居ますです、ハイ。
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