偉人体質

流砂

体質の問題は根深い。病理分野はさておき、日常の行動様式や、ともすれば旅の行方や人生の行き先をも左右する重要な問題だ。
大局的には、ありとあらゆるものの境界や変はり目に立ち会う体質なのだ。昭和と平成の境目、ベルリンの壁消失の境目、中国変革の境目、店舗存続の境目などなど・・・ 果ては信号の変はり目、街路灯や看板点灯の瞬間まで、大小を問はずあらゆるものの変はり目に立ち会う運命が決められてゐるやうなのだ。今潜伏してゐる町も合併で消滅する行く末のやうだし・・・ 
体質とは即ち、定めもしくは運命のことなのであり、さういふ星の下に生まれたことを意味するに他ならない。占星術を待つまでもなく、生まれた瞬間の天体の配置によってさういふことが決定されるものなのか、はたまた遺伝子的レベルの問題なのかは知らないしわからない。
きっと、「さういふことになってゐる」てうたぐひの問題なのだらう。
ちなみに中国大陸に滞在中はず〜っと、「服務員から無闇矢鱈に迫害を受ける」体質であった。火車でも飯店でも商店でもどこに居ても、何もしていないのに服務員に怒られ、追い立てられることが異常に多いのだ。ベタベタのモップで突っつかれたこともあったしな・・・(-_-)
最近ではありとあらゆる分野で電脳化が進み、様々な軟件が創り出されて来たが、それら軟件銘を用ひてその人の体質を形容すると、抽象的ではあるが何だかとってもしっくり来るてうことがわかった。今天は著名軟件である「イラストレーター」を自在に操る女史と雑談をしてゐたワケだが、境界体質である我輩は同時にもう一方の著名軟件である「フォトショップ」体質でもあることが判明したワケだ。もちろん彼女は強力な「イラストレーター」体質であり、すでに人格や性格や行動や思考までもが軟件と一体化してゐるのだ。説明してみよ!と言はれると困ってしまうが、さういふことなのだ。かうなると「ワード」体質者や「エクセル」体質人も居さうだが、早速思ひ当たる節が有るのが奇妙だ。これは高度な「あだ名」みたいなもので、予想以上にその人物の本質を炙り出してゐることが多いものだ。
もっとも、容姿外見に由来するあだ名がどれほど内面を突いてゐるかてうことは不明だが、その人物の内面は外面に滲み出るものだし、或る意味体質は外見をも左右するのやもしれない。
でも、境界体質は特異体質の一種だらう。なぜなら時空を越へて森羅の領域を凌駕するし、ともすれば多元宇宙論やインフレーション理論を否定する存在に昇華する可能性も秘めてゐるものなのだ。
でもその前に、アレルギー体質を治さなくっちゃ・・・
ディープ・インパクト」を見て、思はず夜空を見上げて見慣れぬ光りを探す、立冬の宵なりけり。
(-_-)