報道的功罪

危機一髪

新潟中越地震、御見舞申し上げます。
その報道に関して疑問有り。地震発生直後から、各報道機関の取材班が一斉に現地を目指すワケだが、最近の傾向として報道番組の途中で直接被災地の役場などに電話をかけて、しきりに状況を聞き出そうとする場面が多い。昨夜などは各局が被災地の町役場の担当者?に電話をかけ、執拗に情報を得やうとしてゐたが、担当者本人も被災者であり、全体の状況など把握してゐるワケがないのだ。にもかかわらず、電気・ガスなどの有無や道がどんな状態だの何だの、火事があるかだの死者やけが人は出てゐるかなどなど、非常識な質問攻めだ。勿論彼らは同時に公僕であり、瞬時にして全ての状況を把握してゐるべき立場の人達だ。しかしそれはあくまでも建前であって、被災した自宅を家族に任せて登庁してきた人達にとっては1分1秒が貴重な時間であり、大きな余震が続く中でいったいどれほど報道媒体への返答に忠実に答えなければならないのだらうか? 事実、殆どの電話の背後ではけたたましくサイレンや電話、職員達の喋り声や叫び声が聞こへ、正直に「わたくし、今庁舎に来たばかりで、わかりません」と答える人もおった。
それと、教育テレビとFM放送では被災者宛のメッセージを受け付け、名前や内容を文字化して延々と放送してゐたが(今でも)、被災者の多くは停電などでテレビが見られる状況ではなく、避難所の体育館や公民館、今回は屋外の駐車場などにテレビの有る確率は極めて低く、どれほど有効に機能したのか疑問だ。再放送も無いとのことだから、余計にさふ思うのだ。メッセージの多くは「心配しています、連絡をください」てうものだったが、震源近くの被災者がいちいち関係者や親戚友人に電話して無事を伝へることができる状況とは思はれない。心配は当たり前のことだから、もう少しいい方法が無いものかな、などと思った。
とにかく、阪神・淡路の時も、先日の当地方の地震でも様々なことを思ったが、人間様が仰山居るといろいろなことが難しくなるものなのだね。
今日は終日曇りで、肌寒い感じ。てっきり大陸方面へ向かったものと思ってゐた台風24号、台湾あたりで跳ね返って日本列島方面へ方向転換??? まう勘弁してくだされませ・・・
(T_T)