事大主義者の妄想

クッキー、珈琲、スープ e.t.c.

シラク大統領の中国訪問。北半球に現存する2大中華主義国家の交流だ。シラクは相撲以外の日本文化と政治家に愛想を尽かし、中華同志の直接交流を決断したのだ。確かに、煮え切らず何を言いたいのかわからないやうな日本の政治家とつき合ってゐるよりは、裏も表も有ることをはなっから解った上でつき合える中国の方が、欧州人にとっては理解しやすいに違ひ無い。蚊帳の外てうか家の外で薬指くわえて眺めているしかない我々にしてみれば、欧州人の個人主義的人生と中国人の大陸的人生の相性が良いのではないかしらむと、一見思へてしまふことだらうがさふではない。仏蘭西人の中華主義は確固たる個人主義の上に立脚してゐるものだが、中国人の中華主義は個々の「我」の強靱なる集合体であり、我が儘遺伝子(メンツ・ミトコンドリアを含む)の組み込まれた異常プリオンの大集合体であるとでも言っておかう。
中華主義の副産物が、料理である。かつての北半球3大中華主義国家の中央に構へてゐたトルコはいち早く衰退してしまったけれど、料理美食の分野ではまだまだ健在。かういふ分類で行けば、日本は何主義になるのだらう? 日和見主義? 花見主義? ポチ主義?
灰色主義? 妙なカテゴリーに分類されるくらいなら、原理主義者になった方が楽だらうな。
などと、いつものやうにわけのわからんことをあれこれ考へながら、巴里から届いたお菓子をいろいろつまみ食ひしたりける秋の宵。