熊襲急襲高速隼人

なんたる形状!

電撃的に九州方面を攻略。されどいまだ夏休みとて、移動の途中も行く先々もコビト多く、いろいろ難儀せり。思へば吉野ヶ里侵攻が5年以上前のことだから、それ以来てうことだが、始めての秘境や旧跡も含め、限られた時間の割に行動予定範囲は広大である。
友人の配慮もあって普段なら殆ど乗ることのない特急火車での移動。夢の超特急新幹線も5年ぶりだったものの、見たこともない先の異様に尖った車体で、それが「ひかり」なのか「ゆかり」なのか、「のぞみ」なのか「ぞのみ」なのか「ねたみ」なのか「そねみ」なのか「せばみ」なのか「たらみ」なのか、「こだま」なのか「けだま」なのかよーわからんが、とにかく早かった。ところが知らぬうちに九州ではもっと奇妙な特急火車が走っており、Sonic883てう名前のものは内装も外見も欧州風のデザインを貫いており、何とも長閑な田園風景にはそぐはぬ仕様でござった。座席の妙な具合は、背もたれの枕部分を見るだけで想像できやう。日本語の名前は何だ?と駅員に尋ねると「ソニックである」てう。それは英語か何かだから、意味は何か?と聞いてみたが、「わからんたい」とのこと。例へば雷鳥サンダーバードてうことならわからんでもないが、単純に考えれば音速てう意味だ。コンコルドは音速だったけど、火車に音速とは大胆な命名だな。それはさておいても883てうのは何だらう? 551なら蓬莱の豚まん王国てうことだが、とにかく謎が多い火車だ。
さておき、主要な火車站で下車して以後は、公共交通機関の不便さに鑑みレンタカーでの移動を余儀なくされたが、こちらは幸運にも?新品ピカピカのPassoを借り出すことに成功。登坂力こそ劣るものの空調やカーナビ(当たり前?)など装備は十分で、神話の里や伝説の丘、神南備の峰や神聖な社を巡り歩く。
夜は夜で湯煙漂ふと言ふべきか方々で噴出する別府方面へ。硫黄の臭いに噎びながらも、夜の繁華街の様々な客引き(ホテトル嬢・ストリップ小屋・バー・夜總會等々だが偶然なのか皆かなり年配のおばばで、おいでおいでとしきりに手招きする様子はかなり奇妙である)の誘惑をかわし乍ら浮遊し、炉端をも凌駕する品数を誇る大衆食堂に入り注文すれば、担当は北京からの留学生小姐であって、夜の静寂の奥深きことを今一度、改めて知る。
それにしても「大分」と書いてどうして「おおいた」と読む? 「国東半島」が「くにさき」だし、「安心院」が「あじむ」だったりと、不思議な読み方が多い土地だ。