魅惑のネンミョン

麺が見えませぬ

先日、初めて韓国式冷麺を買って作ってみると、独特の食感とスープの旨みでなかなか優秀な製品だった。ただその時には残念ながら、具材を色々取り揃えるだけの状況になかったので、錦糸卵とキュウリの千切りだけだったけど、十分イケたのだ。
今まで食べた朝鮮半島式冷麺(ネンミョン)で一番美味しかったのは、中国東北部満州国紀行で訪れた吉林省延辺(ヨンビョン)朝鮮族自治区延吉(ヨンギル)市と図們(トムン)市で食べたビビン・ネンミョンだ。ここは豆満江(トゥマンガン)を挟んで北朝鮮と対峙する国境の町で、韓国人の観光客が大変多い地域だ。もとよりこの種のネンミョンの本場は現在の北朝鮮地域(とりわけ平壌や開城が有名とのこと)であり、中国といへども言語習慣を同じくする朝鮮族の作るネンミョンが美味しくないワケがないワケで、チョンマルマシッソッソヨ。
第2位は韓国ソウルの南浦麺屋(ナムポミョンオク)のネンミョンであり、ムルキムチのスープとお出しと細切りナシや具材との調和が素晴らしかった。ロッテホテル近くのビルの谷間の路地に面した老舗風の店構えだったが、もう一度食べたい味だ。
第3位は盛岡の繁華街でふらっと入った食堂の冷麺だ。この街はやたらと冷麺を看板に掲げる店が多く、古代渤海国の領土であったのかな、と一瞬思ってみたけれど、何か由来があってのことだらう。とにかくその無名の食堂で食べたものはまさしく朝鮮式のものであり、たいそう美味しかった記憶がある。
これらの記憶の延長線上から少しずれるが、地元の製麺屋が作ってゐる日本式(中華式?)冷麺の麺が、細く縮れて如何にも美味しそうな按配だったので、今日はついつい絆されて買ってきてしまったワケだ。先日のBBQの余波が未だに功を奏し、具材は妙に豊富である。キュウリ(千切り)・キムチ(細切れ)・カルビ(照り焼きにした)・もやしとワラビのナムル・錦糸卵などなど。この顔ぶれを見る限り、寧ろ韓国式ビビン・ネンミョンにふさわしいものであることは明らかなことであるが、まあそんなことはよいではないか。でもちょっと張り切って、具材を盛り上げ過ぎたことは素直に認めやう。あとは味だな・・・(-_-)発泡酒はおまけ。