賽巴巴行幸

見た目に反していい香り

庭のセミはいつしか殆ど、ツクツクボウシに入れ替わってしまったやうだ。
昨日のネパール繋がりの延長線上の地の果ての丘の上の出来事の出来心の一環として、日頃焚いてゐるお香のストックをチェックしてゐたら、奥の方から「サイババ香」が出てきた。数あるサイババ・グッズの中の代表で、勿論印度製、サンダル・ウッドこと白檀の香り。パッケージには SAIBABA Incense Sticks 賽巴巴香(中国語表記だ!)EXPORT QUALITY(何?輸出向け品質??てうことは国内向け品質もあるのだらうかしらむ???外国向けが高品質であるてう保証は無いな・・・) 怪しげに微笑むサイババの肖像がメダイヨンになってあしらわれ、更にサイババの有難いお言葉が書かれてゐる。曰く、
"He who attains the supreme goal of life is immortal and happy; all others merely exist,i.e.live long as they breathe" -Baba-
「生命の最高の到達点に到る者は、永久に幸福である。あらゆるものはすべて単独に存在しており、呼吸するとともに長寿を得てゐるのである」ババ(我輩訳)
何だかよーわからんのは翻訳のせいだけであるとも思はれないが、宗教家てうものは「よーわからんこと」を「さもありなむこと」のやうに蕩々と述べるのが仕事の半分だからいたしかたあるまい。例へサイババがMr.マリック同様の奇術師であらうとなからうと、信じる者のみが何か計り知れぬものの力に因って救われてゐるのだから、無碍に否定すべきではない。かといってサイババの如き見るだに怪しげな風貌の輩と対等につき合おうとすれば、それなりの覚悟が必要であらう。線香は印度独特の竹線香で、かなり細く裂いた竹の軸にうねうねと不規則に線香が付着しており、ひょろっとしてゐるので上手く刺さねば倒れそうな按配である。しかし香りは素晴らしく、部屋に溜まった残暑の熱気がさーっと引いて和らぐ気がする。1本は平均して15分ほどかかって燃ゑ尽きるのであるが、なぜか香炉に収まらない灰が回りにこぼれてしまうのは、竹軸の細さで安定しないせいだらう。もしかしてこれが噂の聖灰=ヴィブーティの原料であらうとなからうと、掃除が面倒なので当分は散ったままにしておく。今頃彼は印度で何をしてゐるのだらうか・・・ 今夜は大文字の送り火だ。
サティア・サイババ公式HP http://www.sathyasai.or.jp/