偉大なる・・・

ベトナムのものはどれでせう?

偉大な将軍様のおられる国の紙幣については先日述べた通りだが、ついでに手持ちの中国紙幣をいろいろチェックしてゐた。たいした額ではなかったが、同じ引き出しの奥から昔集めていたマオグッズが出てきた。マオとは言うまでもなく Great Mao = Chairman Mao = Mao Ze Dong = 毛沢東=<マオ・ツェードン>=「もう・たくとう」のこと。
いずれも悪名高き文化大革命当時に作られたもので、所謂毛沢東語録から引用された標語などもデザインされている。共産主義の造り出したものは独特な雰囲気とデザインを持っていてコレクターも多く、研究書や図録さえ出されているほどだ。いちばんお気に入りの標語は「為人民服務」。意味は「人民のために働きなさい」または「人民のために奉仕しなさい」ということになるが、その働いている人たちも人民の一部であるので、よく考えるちょっとややこしいな。「東方紅」とは太陽、即ち毛沢東のことで、同名の劇的歌舞もある。
早い話が政治的なプロパガンダの産物なのだけど、人民を鼓舞洗脳するためには歌舞音曲広告宣伝映像音楽文字標語など、人民を取り巻くすべてのものが動員されるわけで、バッジなどは個人の所属や意思表示を象徴しているわけだ。そのことは帰国した拉致被害者たちのことを思い出せば、その意味がわかるだろう。今では文化大革命はグレート・マオが最晩年に犯した錯誤であったと定義づけられているが、ややこしいのは中国は日常が革命状態ということだ。例えば6・4天安門事件の逮捕者たちは「反革命的分子」ということになっている。日常が革命ならその流れに逆らうものは反革命分子というわけだが、では日常の革命とはどんなことなのだらう? ややこしや・・・
ちなみに赤(中国語では紅)いバッジ群の中にベトナムのもの(ホーチミン市の旗)も紛れていた。偉大な将軍様のバッジも欲しいな・・・