漂着物的人生

得其利是=ドチリシ???

特に注意して見ているわけではないが、在宅している日は雨天でない限り必ず海岸にでかける。この地は椰子の実の漂着が詩と音楽にまで昇華したイメージの原郷だげど、太平洋岸と言うこともありさまざまなものが漂着する。ここ5〜6年で印象的な漂着物がいくつか思い浮かぶが、巨木の切り株(並みの大きさではない)、豚の死体(トン死?巨大膨張)、大量のハコフグ(百匹以上)、麻薬(漁船での海上取り引きが発覚しそうになり沖で投棄されたもの)、日本酒の一斗樽(2樽)、宇宙船の破片(のようなもの)、船魂様の納められた神棚(船舶用)、ソーダガラスの浮き球(5個)などがある。
外洋に面しているのでもっとさまざまな国籍のモノが漂着するのではないかと想像していたが、意外に国籍を認定できるモノは少ない。ビニル袋に詰められた麻薬が漂着した日には、海岸を歩いていると突如十数名の捜査員が出現し、そのうちヘリコプターも飛来し、誤認逮捕されることを恐れて慌てて自転車で逃避行動に出たのだが、返って怪しまれて職務質問されてしまった。日本酒の一斗樽は片方は酒が入ったままで、よく見ると海上にもまだ何樽か漂流しており、漁船のオヤジどもによって回収されてしまった。船霊様は沈没した船から遊離したものか不明だが、現役漁船が積んでいないはずがないので謎だ。これに関連して、神社系の木札はかなりいろいろ回収している。四国の金比羅様の巨大なものや、伊勢神宮鹿島神宮宗像大社のものなどだ。今から思えば、「大神宮のお札が降った」とうそぶいて、ええじゃないかのお参りにでかけるべきであった。
今日発見した中国式洗剤、用途は食器や野菜・果物の洗浄とあるが、「残留農薬さえも洗い流す」という効能書きが非常に怪しい。中英合資合作商品のようだが、そもそもイギリスは盛大に泡立てたシンクで食器を洗い、すすぐこと無くタオルで泡を拭き取って威張っている国民だから、余計に信用できないのだ。さておき、でもこれほど国籍のはっきりした漂着物も珍しいな。ハングルものは未だ見かけたこと無いけど、フィリピン製の洗剤は一度見たっけ。
それにしても、漂着物を眺めてあーだこーだと考えている時間があるということは、まだ平和なのだらうか。それより、最大の漂着物は自分自身であることに、今気付いた。