蹲中天

花は何処?

台風崩れの温帯低気圧の接近で、徐々に風雨が強まってきた。
長年自分で焼いた炭(竹が主)の貯蔵庫として、大きなナマコ火鉢を使ってきた。今年の冬で殆どの炭を使い尽くしたこともあって、先日土間の片隅から引っ張り出して洗ってやった。少し小さめでひびを修理して睡蓮鉢として使っているもう一つの火鉢もあるが、睡蓮の株がすこし大きくなってきて窮屈そうだったので、この機を利用して水鉢の増設を試みたわけだ。
炭の粉はむしろ水質浄化に役立ちそうだったのでそのままにして、水を注入し始めると鉢の腹に小さな穴が開いていることがわかった。インスタントセメントで応急措置をして、鉢底に砂と少量の腐葉土を敷き、鉢から出した睡蓮の株を移植した。ナマコ火鉢の青い釉薬と水と睡蓮の醸し出す雰囲気が大変良く、美しい。幸い雨を待たずとも、梅雨前線のおかげさまでどんどん降ってくれるので、水玉が刻一刻と変化して更に宜しい。
こうなると欲が出てきて、先日からホームセンターで密かに目を付けてきたパピルス系の繊細な水生植物も風景に加えたくなる。ホテイアオイは他の大きな水槽にたくさん増えているのでやめておいて、水の濁りが落ち着いたらメダカも放してやろう。
雨水受けとしても使っている大きめのプラスティック水槽の方は、いつのまにかミニタニシが発生していて、水草や藻のおかげでいつも水が綺麗だ。メダカも居るがよく見るとヤゴが発生していたので、メダカの居ない方に移してやった。なにせヤゴは肉食性なので、メダカを食べてしまうのだ。メダカの学校が開いている限り、ボウフラも湧かないし浮き草も綺麗なままなのだ。
庭の片隅の、限りある小さな水宇宙の中にも、無限の生命が循環しているのだね。