ジャックとユーカリの樹

脱皮中!

庭にユーカリを植えて、かれこれ5年になる。
ホームセンターの苗木コーナーの片隅で、倒れて踏まれてみすぼらしくなった1mほどの若木をみつけたのが秋のことだったろうか、今植えても育たないかも知れないな、などと思いつつも「500円」に値引きされたその若木を買って帰り、庭の畑の脇に植えておいたのだ。その後ユーカリが生きているのか枯れてしまったのかの判断もつかない様子だったのだが、初夏になり突如方々に枝が出て葉が茂り始めたのだった。なるほどレモンユーカリの名の通り、葉を揉むと癖の強い芳香が漂う。結局根付いたわけだがその夏が終わる頃にはユーカリの背丈は2m近くになっていた。
とにかく風が強い土地なので、さすがに根付いたとはいえ冬から春先に毎日吹く「きちがい風」で倒れないように、支えの添え木を立てておいた。案の定冬には幹がびょんびょんとしなり添え木も折れる寸前だったし、葉も吹きすさぶ風によって葉脈で裂けてぼろぼろになってしまった。それでもユーカリは2度目の冬を乗り切り、初夏にはぐんぐんと背丈を伸ばし、葉も盛大に繁るのだった。幹回りも徐々に太くなり、3度目の夏を迎える頃、幹の表皮のいたるところでひび割れを発生し、毎日自然に剥落していくようになった。文字通り一皮むけたその表皮はうす緑色できめ細やかで瑞々しく、生長の喜びを全身で現したようであった。
今年も初夏を迎え、どんどん古い表皮が剥落し始めている。それはそれでよいのだが、問題はその背丈だ。一旦根付いたユーカリの生長速度は凄まじく、すでに6m以上になっているのではないだろうか。去年調べた植物図鑑には、恐ろしいことが書かれてあった。
「オーストラリアなどに自生するものは30m以上に達するものもあるが、日本の気候では20mほどにしかならない」と。
何?!20mだって!? 今でさえ近所で目立つ存在なのに、このスピードで毎年伸びていってはたまったものだはない。と数年ですぐ近くの電柱を追い抜きそうだし、そうなると大風の時しなって電線に触れるかも知れない。うーむ、切るべきか切らざるべきか、それが問題だ。
今切っておけばディジュリドゥーが3本くらいできそうなんだけどな・・・(-_-)