東京・上海・ベルリン

au cafe...

年に何度か上京するが、ユースホステルに泊まる場合が多い。ほとんどが飯田橋駅の「東京国際ユースホステル」なのだけど、予約が取れなかったりして代々木の方に泊まったこともあった。代々木はユースにしては珍しい個室なのだが、飯田橋は2段ベッド2組の4人部屋が基本だ。どんな人と同室になるかは、もちろん当日までわからないことなのだけど、去年の5月に同室だったドイツ人は印象的なキャラクターだった。
ベルリン出身の彼(31歳)は現在ドイツの法律顧問会社の台北支部で働いていて、東京への転職を狙って休暇を利用して仕事探しに来ていたのだ。滞在3日目にしてすでに2つの会社訪問を果たしていたが、あと2社の予定があると言っていた。彼とはユースの下のドトールコーヒーで2時間以上話し込んでしまったのだが、とりあえずメールアドレス交換して別れたので、その後の動向は知らなかった。
今朝、彼から届いた電子メールはベルリンからだったが、あのあと一つの会社で内定をもらい、台北に戻ったとのこと。本人はその後3ヶ月の残りの契約期間を勤め上げ、一旦ベルリンに戻ったらしい。1ヶ月半の準備期間で東京へ・・・と、本人もすっかりその気でいたらしいが、改めて会社から連絡が来て、上海の支社に行って欲しいと言われたらしい。
考えた挙げ句、むこうでの2年後東京行きの確約を取りつけ、とりあえず上海行きを決心したらしい。というのも、僕が話した上海の歴史的背景や故事の数々を思い出して体験してみたくなったというのが理由らしいのだ。間接的ながら彼の行動に影響を与えてしまったわけだが、上海での経験は必ず未来の日本において役立つことだろう。
すでに上海での住所も決まっていて知らせてきたが、予想通り黄浦江対岸の所謂「浦東新開発地区」の高層ビルのようだ。ベルギー人の彼女もいっしょに住むらしく、準備が大変というわりには楽しげな文面だったが、正に国際的な生き方だ。
ベルリンと上海と東京か。目に見えぬところで世界中の大都市は太い動脈で繋がっているのだね。