儚きは 送り火照らす 小望月
舊暦七月十四日の潮けむり
この砂煙のやうに見えるものは全て「潮けむり」で、強風によって巻き上げられた波飛沫が霧状になって陸地に押し寄せてゐる状況。海水の霧を浴びてゐるのと同じことなので、氣持ち良いからといって長時間潮風に當たってゐると、いつのまにか全身べたべたになって仕舞ふのだ。
此の太平洋沿岸の表濱地帯では、北西風の優越する冬場には殆ど見られないが、南風の續く夏場には終日このやうな「潮けむり」が大氣中に充満しており、全てのものが潮気を孕み、全ての鐵製品を腐食させていくのだ。
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【おまけ】
【8月16日 AFP】インドネシア・パプア(Papua)州の高原地帯に位置する町、ワメナ(Wamena)の先住民ダニ(Dani)族の族長が大切そうに抱きかかえるのは、およそ250年前に同地を支配していた族長のミイラだ。
ワメナには遺体をミイラにする習慣はもう残されていないが、ダニ族は今でも多くのミイラを大切に保存することで、先祖への高い尊敬を表している。ミイラにされたのは部族の重要人物のみで、彼らは動物の油を用い、煙でいぶすことによって遺体に防腐処理を施していた。現在ではダニ族のミイラを一目見ようと、世界中から多くの観光客がワメナを訪れるという。(c)AFP/Adek BERRY