先代萩平舊事本紀往還故事

舊暦七月二十三日の三河山麓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
愛知県新城市萩平遺跡の発掘調査のお知らせ
1.発掘調査期間  平成27年8月30日(日)〜9月10日(木)
2.発掘場所    愛知県新城市川路萩平遺跡A地点隣接地
3.発掘調査機関  愛知学院大学文学部歴史学
4.発掘担当者   愛知学院大学文学部歴史学科教授 白石浩之
          歴史学科考古学コースA 白石ゼミ 2年生8名 3年生9名 4年生3名 大学院生3名 教員1
 計24

5.調査の経緯 
  萩平遺跡は豊川の右岸の段丘上(標高68〜65m)に位置している。岡崎市在住の藤島弘鉦氏が遺物を採集し、1962(昭和37)年名古屋大学文学部の澄田正一教授によって試掘調査が実施されたことが端緒となる。以後1964(昭和39)年、1965(昭和40)年、1966(昭和41)年と4回の発掘調査が実施された。その結果、萩平遺跡はA〜D地点と名付けられた。その広がりはかなり広い範囲を含んでいる。A地点は1962(昭和37)年5月に小規模な調査を実施し、第二次調査が1966(昭和41)年7月23日から3日間発掘調査が実施された。愛知学院大学ではA地点の隣接地を対象として2013・2014年度に引き続き第三次調査として2015(平成27)年8月30日〜9月10日にかけて実施した。

6.調査の成果と問題点
名古屋大学の調査では今から約20,000年の旧石器時代から9,000年前の縄文時代早期の遺物(石器・土器片)が出土している。とりわけ後期旧石器時代のナイフ形石器を主体とした石器群、縄文時代草創期の有舌尖頭器を主体とした石器群、そして縄文時代早期の遺物(押型文土器・石器)が層位的に出土する可能性がある。
 第1〜3次の発掘調査結果により、第3層の黒色土層が縄文時代早期の押型文土器文化層、第4層が褐色土層で、有舌尖頭器を主体とした縄文時代草創期の文化層、そして第5層の黄褐色粘土層は旧石器時代の文化層である蓋然性が高い。今回の発掘調査においてもこの層的出土例が確証できるものか否か細心の注意を払って調査に臨もうと思う。

7.萩平遺跡A地点の学術的意義
 萩平遺跡は、愛知県内はもとよりのこと、全国的にも縄文時代草創期の石槍が多数出土した遺跡として著名である。とりわけ有舌尖頭器は萩平型有舌尖頭器と命名される特徴を有している。しかし調査した範囲は限られた面積の発掘であったことから、遺跡の広がりや特徴など未解決な問題を多く残している。

8.備 考 現地見学会は9月5日(土)13時より開催する予定です。(見學會は終了しましたが、期間中は原則的に見学可能です)