たうもろこしのなにものぞ


↑知らぬ間に仕様も味も進化しとりました。こんがりトーストをナンに見立ててカレーを付けて食べるのだ。
 
さて、そも「玉蜀黍」と書いてあれば、たいていの人は「たうもろこし」と讀むことだらう。
素直に音讀みすれば「ぎょくしょくしょ」となって、聞いても何のことやらわからん。
そもそも「玉蜀黍」を「たうもろこし」と讀んだ瞬間に其れは意訳されて仕舞ってゐることになるが、ではどのやうな漢字を當てればよいのだらう。敢へて言ふならば「唐唐土」てうことになって、更にわけがわからんくなる。
そもそもそも、「もろこし」とは何かてうことになって仕舞ふのだが、調べると呉越同舟の越の國を含む「諸越」(しょえつ)轉じてもろこしとなったなどとやや無責任なことが書いてある。もし「もろこし」が此処に言ふやうに「諸越」であったとすれば、「たうもろこし」は「唐諸越」となり、植物(食べ物)の名前を離れ「三國志演義」の世界に入って仕舞ふではないか。
一方「玉蜀黍」の漢字表記法も問題だ。形状を意味する「玉」はさておき、「蜀黍」とは「蜀の國の黍」てう意味だらう。前段の「諸越」では「越」の國が、此処では「蜀」になってゐるではないか。百歩譲って「越」も「蜀」も廣義の中國または大陸方面の意味と理解しておかう。事實、「たうもろこし」を「南蛮黍(なんばんきび)」と呼ぶ地方もあるやうだし、單に我が邦の風土に自生する品種では無かったことを意味するなら、「唐」でも「南蛮」でもどちらでも良い。植物学的な原産地など誰も知る術も無かったらうし、主要生産地からの直輸入であった可能性も低い。つまり、中國語に於ける「胡」のやうな意味で使はれてゐると思へばよい。
因みに、中國では「たうもろこし」のことを「玉米」(ユゥミー)と呼んでゐた。
次に問題なのが「黍」である。單に」「黍」と書けば「きび」となり、所謂「キビ」てう別の雑穀が厳然と存在する。五穀に含まれる「黍」は「社稷」の「稷」とも書き、「きみ」とも言ふとのこと。
キビなら粟(アワ)と共に華北の主要作物でもあるから、こちらも歴史的な意味では「唐キビ」になって仕舞ふ。確か中國では粟のことを「小米」と言ふからややこしい。
結局、雑穀とたうもろこしの明確な關係性は極めて複雑でわかりにくいことがよくわかったので、本日はここらへんで許してやらう。
↓せっかくうでたたうきびが冷めてまったがね。

  
 

↑意外に優秀な輝度を發揮するアイリスオーヤマの乾電池式LEDセンサーライト。(隣のドルジェリンこと金剛鈴は無關係)
暗くなると何かの動きを感知して10秒間光るが、常時点灯や電灯として持ち運びも可。但し、専用スタンドに収納した様子は良く言へば『2001年宇宙の旅』に出てくる人工知能HALの眼球部分、悪く言へばB級SF映画に使はれる小道具または『宇宙人東京に現わる』に出てくる岡本太郎デザインの宇宙人を連想させる。



 

ん?
 

鰺とブロッコリー、まさか食ひ合はせではあるまいな
 
午後、仰山雨降りました。しかも夕方からはちょっと肌寒いではないか。所謂梅雨寒ってヤツだねこれは。
雨雲レーダーを見てゐると、梅雨前線の雨雲がほぼ東西に流れつつ、丸一日かけて日本海側から太平洋側まで緩慢に南下してきた様子。如何にも梅雨らしいと形容することもできる雨の降り方だが、西方には台風が控えており、太平洋岸を東漸してくる氣配濃厚。これ以上の降雨は雨漏りを一層加速するので、陋屋の住人にとっては余り宜しく無いな。加へて低氣壓性の頭痛少し有り。
 
 
 

The Cross Of Changes

The Cross Of Changes

 
*********************
 

皆どこ行くだ?