旅せむや稲荷蓬莱霊鷲山

今朝はテレビにて能“春日竜神”〜金春流〜を鑑賞。

 
【物語・曲趣】 入唐渡天を思い立った栂尾の明恵上人が、お暇乞いのために南都に下って春日龍神に参詣すると、宮守の翁が現れ、上人の参詣を喜んだ。

しかし、翁は、上人が渡天の志を持っていることを聞くと、「釈迦入滅の現在では、この春日の御山がすなわち霊鷲山であるから、その必要はないでしょう」と諌め、さらに当社の縁起を語る。

それを聞いた上人が「それでは渡天を思いとどまりましょう」と言うと、翁は「それならば、この御笠山に五天竺を移して、釈迦の誕生から入滅までの様子を見せましょう。自分は明神の命により現れた時風秀行である」と告げて消失した。

やがて、春日の野山は金色の世界となり、大地震動するなかに下界の龍神が現れ、霊鷲山における仏の会座の光景を示した後、再び上人を諌めて、龍神は猿沢の池に飛び入って消え失せるのである。

春日龍神の威厳を表わそうとした曲で、明神の命令を受けて時風秀行や龍神が現れるという構想も、明神に深い威厳を感じさせる手段と思われる。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
http://homepage3.nifty.com/nue-nohgaku/study-08.htm
 
午後より新暦正月参詣風情を求め東へ西へ、そして逢魔が時に蓬莱山へ舞ひ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓬莱も 今宵ばかりは ゴミの山
我もまた 旅をせむとや 生まれけむ