強い違和感の所以

わたくしと同様の違和感を感じておられた方が、世間にはたくさん居られるやうで、原子力分野にも明るい武田邦彦氏のブログを引用させていただくことにする。

 
原発 少し落ち着いたので・・・「保安院という化け物」
 

 
原発は2号機の格納器が破壊されたことで一段落した。周辺の放射線は徐々に上がっていくだろうが、福島県民をはじめ、付近の方が逃げることもできる状態になった。

その意味ではやや私も気持ちがおさまった。

そこで、政府やマスコミなどからの情報をより正しく理解するために関連のことを書いておきたいと思う.

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【なぜ、保安院の人は謝らずに威張っているのか?】

日本の原子力行政は、原子力委員会が推進、原子力安全委員会が抑制ということになっていたが、政府がいつの間にか、原子力安全・保安院というのを作り、「抑制機関無しの原子力行政」を始めた。

そのため、安全を考えて抑制する立場だった「原子力安全委員会」は国民に代わって、直接、原子力の安全を守ることができなくなった。

原子力安全・保安院は全権を持ち、電力会社や原子力安全委員会などに強い影響を持つようになった。これがテレビで見た保安院の人の傲慢な態度にあらわれていた。

保安院は常に原発に口を出し、俺の言うことを聞かなければ認可しないぞと言い、そして現場を知らないという状態で推移していた。

このことが「地震で破壊する原発」を作ってきた原因であり、さらに「震度6など想定していなかった」とか「地震対策はしてきたが、津波が起こるとは知らなかった」などという奇妙な言い訳を作り出す原因にもなっている.

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テレビにでた保安院の人は謝りもせず、傲慢な態度に終始した.これは「事故は俺が起こしたのではない」ということだが、「原発の安全に責任を持つ」という気持ちが無い人が、「原発の安全規制の権力を持っている」ということだからだ。

彼らは規制について強い権限を持っている.だから電力会社は認可をもらうためにペコペコしなければならない。でも事故が起こったら知らない顔をする・・・役人が入るとこのようになる。

今、事故が進行中だが、保安院は登場しても混乱するだけだ。東京電力と政府だけで進めてもらいたい。

また気象庁は全力を挙げて風向と、原子炉からのガスがどのように流れるか、コンピュータを使用して早く全力で計算して欲しい.

気象庁はこのような時にこそコンピュータを国民の安全のために使い、何時、どこに放射線物質が移動するのか、ハッキリして欲しい.

平成23年3月15日 執筆)


武田邦彦
 
(C) 2007 武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ
 

 
■出典由来 武田邦彦 (中部大学)
http://takedanet.com/2007/06/post_7d91.html
http://www.nisa.meti.go.jp/index.html

 
NISAの行動規範
 

NISAは、エネルギー施設や産業活動の安全を守り、万一の事態に的確に対応するため、「強い使命感」「科学的・合理的な判断」「業務執行の透明性」「中立性・公正性」の四つを行動規範としています。

第一に「強い使命感」に基づき緊張感を持って業務を遂行します。

第二に、安全・保安行政の専門家として現場の実態を正確に把握し、「科学的・合理的な判断」のもとに行動します。

第三に、国民の皆様の信頼と安心感を得るため「業務執行の透明性」の確保に努めます。情報公開に積極的に取り組み、自らの判断について説明責任を果たしていくことを重視します。

第四に、「中立性・公正性」を大前提として安全・保安行政を遂行します。

国民の皆様の暮らしを支えるエネルギーの安全や産業の保安をより確かなものとするために、私たちはこれら基本的な行動規範に基づいて、職務を遂行してまいります。
 

 
 
さらに、リンクを辿っていってもなぜかソースの発信元のファイルが削除されており、本文だけがコピペされて出回ってゐる情報ですが・・・

 
政府は、原子力安全・保安院の職員らを福島第1原発からおよそ5キロのところにある「オフサイトセンター」で待機させていましたが、15日午前、第1原発からおよそ50キロ離れた郡山市まで退避させました。
これは北澤防衛大臣が明らかにしたもので、政府は、第1原発周辺での作業にあたるため現地からおよそ5キロの「オフサイトセンター」に原子力安全・保安院の職員と自衛隊員らを待機させていましたが、当面、作業の実施が難しい状況となりました。
このため、第1原発から20キロ以内の住民に対し、避難するよう指示を出している中、保安院の職員らの安全にも配慮し、退避させたものです。
また北澤防衛大臣は、福島第1原発の4号機の冷却について「当面、消防と警察が地上から放水する」と述べました。今後、自衛隊が冷却のためにヘリコプターで放水する可能性はあるとしながらも、安全性を考慮する姿勢を示したものです。
 

 
※記者会見の要約を紹介した記事
「4号機で8m四方の穴が北西側に2ヶ所開いていた」、原子力安全・保安院質疑応答まとめ - GIGAZINE
 
TVでは会見のごく一部しか放送されませんが、実際はこのやうな激しい絶望感を抱かせる質疑応答が延々と続いてゐるのです。
しかし現実には、いや、本当の現場では、極めて困難な状況下で必死に作業を続ける作業員たちが居ることも忘れてはいけません。
↓参考までにこちらのリンク先を是非ご覧下さい。
よくわかる原子力 - 原発で働く人々
 
 

 
 
◎ 天皇陛下のお言葉全文 ◎
2011.3.16 17:18
 

東日本大震災の被災者や国民にお言葉を述べられる天皇陛下
 
 天皇陛下は16日、東日本大震災の被災者や国民に向けたビデオメッセージを発表された。陛下がビデオでお気持ちを述べられるのは初めて。お言葉の全文は次の通り。

     ◇

この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震津波による死者の数は日を追って増加し、犠牲者が何人になるのかも分かりません。一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています。また、現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。

 現在、国を挙げての救援活動が進められていますが、厳しい寒さの中で、多くの人々が、食糧、飲料水、燃料などの不足により、極めて苦しい避難生活を余儀なくされています。その速やかな救済のために全力を挙げることにより、被災者の状況が少しでも好転し、人々の復興への希望につながっていくことを心から願わずにはいられません。そして、何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています。
 自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のために来日した人々、国内のさまざまな救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います。

 今回、世界各国の元首から相次いでお見舞いの電報が届き、その多くに各国国民の気持ちが被災者とともにあるとの言葉が添えられていました。これを被災地の人々にお伝えします。

 海外においては、この深い悲しみの中で、日本人が、取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています。

 被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。