熱田山参詣曼荼羅〜雑煮・菓子的逸話付き〜


参道入り口では耶蘇末日教徒が布教中。家族総出で、毎年のこと。
 

 

上知我麻神社
 

別宮八剣宮
 

 
 

 
 

 
 

 
 

信長塀
 
 

暮れなずむ街の刹那の美
 

杜の暗闇に沈む高座結御子神社
 
冬の日の午後の、しかも2時半を過ぎたあたり。3時に近い頃から黄昏にかけての、淡く弱々しい太陽光線に因って照らされた街の光景が好きだ。
今天はそんな時間を見計らっての熱田参詣。*1
陽暦正月元日の人出は予想通りで、出店を冷やかし乍ら先づは南方の上知我間神社や八劔社など摂社の参拝を済ませて北上し本殿に向かへば、御手水場より先は人間様だらけのまんだらけで微動もせず、大いに入場制限中。
結局、百数十メートルを約三十分かけて入場を果たし、無事参拝。
それにしても、蝟集せる人間様の生み出す雑踏や人いきれはともかく、警察様が御親切で行っておられる注意喚起の放送音量が凄まじく、境内の世俗的なかまびすしさというたら尋常でない。正殿前の巨大な固定拡声器の他、大行列の側面に何人も何人も携帯拡声器を持った警官が立っており、各人が野別幕無しに喋ってゐるのだから五月蠅いわけだ。まう少しなんとかならんものかね。
さうさう、お喋りと言へば、我輩の直ぐ後ろに並んでゐた大学生らしき3人組の会話が傑作であった。以下に少し再現。
「おい、これってスゲー並んでなくない?」
「しょーがねーじゃん、しょーがつなんだからよー」
「でもここって何? いわゆる神社仏閣ってやつ?」
「は? 熱田神宮に決まっとるじゃん」
「神宮ってことは神社仏閣やん」
「仏教っぽくなくねぇ?」
「は? だから神宮なんだから明治神宮とかと同じやろ」
「え? トウキョウと同じ???」
 
さすがの偉人も彼らの会話を聞いて思はず腰が抜けて其の場で憤死しさうになって仕舞ったが、振り返って親の顔ならぬ本人たちの顔を見てみると、所謂フツーの大学生たちであった。彼らはまったく悪びれることなくこんな調子で延々と会話を続けてゐたが*2、就活はかなり厳しいものになるであらうぞ。
それとついでに、まったく脈絡は無いが近年流行中のファーもけしからんぞ。
男物のブルゾンのフードにも、勿論女物のジャケットやショールにも、このところ矢鱈滅鱈ファーが付いてゐるので、此のやうな庶民人民大集合式大行列の際には前を向いて立ってゐても、横を向いても後ろを見ても、ファーの部分が丁度顔面に当たる確率が高く、無用な嚔を催すので困ることが多いのである。満員の通勤電車内では更に密着度が高いであらうから、同様の苦難を感じてゐる者も多いのではなからうか。などと、とりあへず漱石先生のやうな苦情をつらつら述べておかうぞよ。
さておき、日暮れて大名古屋駅周辺でいくつかの不要物やワケのわからんものや駄菓子などを購入し、冷え切ったカラダで帰宅してTVをつけると、宝くじの当選番号を知らせてゐるではないか。すっかり忘れとったがね。
今回は隣田寺開闢以来初めて、連番20枚を2回に分けて大購入したことを急に思ひ出し、電光石火の速度で確認作業を行ってみたところ・・・
其の結果は推して知るべき置き炬燵、海外逐電の夢は一瞬にして潰えたのであった。
斯くなる上は、今夜はどんどん雑煮を食ひ正月らしく餅をノドに詰まらせて正々堂々と自害してやる!

と宣言したわりに、先づはおもむろに餅菜などを水洗ひして・・・
 

とか何とか息巻いてゐたのだが、餅菜が新鮮で出汁もうまく取れてたいへん美味しく出来上がって仕舞ったので、ゆっくりと弛緩して雑煮を食ひ、カラダを暖め空腹を満たしたので御座ゐます。
結局切り餅*35個分+餅菜3束分も食って仕舞ひ、ふと我に返って足元に散ったハズレくじを見てゐるうちにまた悔しさが湧き上がってきたので、密かに買ってきたクッピーラムネ*430袋入りだの、山形名物おしどり印のミルクケーキ10枚入りを一気にぜんぶ食ったった。
 

 
さすがにちょっと胃が気持ち悪くなったので、タカジアスターゼを飲んで横になり、今頃ちょこっと反省するも時既に遅き哉。
ちなみに今日は陰暦十一月二十七日也。
いと恙無きや、よや。
(-。-;)
 

*1:隣田寺先生は精神的に常時陰暦モードで稼働中なので、今回は「初詣」ではなく「納め参り」なのである。

*2:録音しておけばよかったな。見たところ酔っぱらってゐたやうでもなかったので、フツーの会話なのだらう。

*3:地球人氏に因る救援物資の一部

*4:クッピーラムネブランドの入浴剤も発見! いったいどんな香りなのか?!