病める薔薇と行く季節


 
 

 
 

 
 

 
 
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甘粛大変藏族再再度受難!
深き草木を失った黄土類似の土壌剥き出しの表土(紅土)に保水力は殆ど無いであらうから、一旦豪雨となれば濁流土石流は河川流域の低位段丘面を全て埋没させて氾濫するのは必定のこと。
それにしてもここ数年は藏族ことチベット族にとっては厄災試練の年也。南無・・・
ちなみに今回の土石流災害、中国語では「特大暴洪泥石流災害」と表現されてゐる。
 
甘南藏族自治州人民政府
 
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<中国土石流>当局、チベット族の反発警戒
 
8月10日0時45分配信 毎日新聞
 
 中国甘粛省甘南チベット族自治州舟曲県で8日未明に発生した大規模な土石流災害。新華社通信によると、9日までに、337人が死亡、1148人が行方不明となっている。今年4月の青海省地震に続きチベット族居住区が被災したことを受け、中国指導部は救援の遅れが被災者の不満拡大につながらないように神経をとがらせており、温家宝首相が現地入りして救援活動の指揮を執っている。原因についても「人災」との指摘があり、指導部に重い課題を突きつけている。【北京・浦松丈二、成沢健一】
 
 ◇最大被害の村名、報じられず
 「300世帯余りが住む村が埋まった」。新華社通信は土石流が発生した直後に速報したが、翌9日になっても最大の被害を出した村の名前は現場発では報じられていない。具体的な村名を報じることで大勢のチベット族が土砂の下敷きになったことが広まり、政府・軍の救援活動の遅れなどが国内外のチベット族の反発を招くことを警戒している模様だ。

 被災地の舟曲県(ドゥクチュ県)とは、チベット語で「竜の水」を意味するチベット族地域。人口約13万4700人の約3分の1がチベット族だ。

 08年3月14日に発生、チベット族と漢族が衝突したラサ暴動の翌15日に同県が属する甘南チベット族自治州の夏河県で抗議デモが発生、昨年5月にデモ参加者の僧侶が舟曲県で拘束されたとの情報もある。

 「総人口の1%にも満たないチベット族地域になぜ災害が集中するのか?」。中国のネット上ではチベット族が人口の97%を占める青海省玉樹チベット族自治州を襲った今年4月の地震などを例にした書き込みが目立つ。

 中国政府は自然災害で民族別死者数を公表していないが、言語や宗教がチベット族に近いチャン=羌(きょう)=族の識者によると、9万人近い死者・行方不明者を出した08年5月の四川大地震ではチャン族の死者が3万人に上った。

 防災インフラが整った都市部ではなく、不便な山間部に暮らすチベット族などの少数民族が災害被害者になりやすいという背景もありそうだ。しかし、中国政府は漢族と少数民族の「災害格差」として注目され、政府批判につながることを恐れているとみられる。

 中国中央テレビなどは被災地入りした温家宝首相と少数民族回族回良玉副首相の姿を大々的に報じ、チベット族地域の救援を重視する姿勢をアピール。一方、チベット族や民族文化の被害状況の詳細を伝えておらず、災害をきっかけにした民族対立再燃への警戒感をにじませている。
 
 ◇「人災」指摘の声も
 標高1800メートルの山間部を襲った土石流は幅約500メートル、長さ約5キロに及んだ。舟曲県では以前から土砂災害が発生しており、「鉱山開発などで土壌流出が深刻な状態」との指摘も出ていた。一方、国営メディアは「四川大地震の影響で地盤が緩んでいた」と伝え、「人災」との指摘を否定している。

 9日付の中国紙「第一財経日報」によると、舟曲県は1950年代まで森林と清流に囲まれた豊かな地域だったが、鉄やアンチモンなどの資源が豊富なことから鉱山開発が相次いだ。さらに、居住地域の拡大やダム建設で森林の伐採が進んだ。

 05年には地元紙「蘭州晨報」が「1958年からの土壌流出面積が舟曲県全域の42%を占め、相次ぐ洪水や土石流災害が市民の安全を脅かしている」と警告する記事を掲載。81年以降の大規模な土砂災害が8回に及ぶと指摘していた。

 「第一財経日報」は「山間部の都市建設にあたり危険性の十分な評価を促す災害だ」とする専門家の意見を伝えている。

 これに対し、国営新華社通信(電子版)は9日、08年5月の四川大地震で山の岩盤が損傷を受けたほか、地盤も緩んでいたところに局地的な豪雨が襲い、土石流が発生したとの専門家の分析を報じた。

 中国では今夏、98年の長江大水害以来と言われる豪雨被害が全土に広がっており、8月6日時点で約2億人が被災した。このうち2000人を超える死者・行方不明者の大部分が土砂災害に巻き込まれたことによるとみられている。

 新華社の報道が土壌流出に触れなかったのは、開発優先による環境破壊は全国共通の課題であることから、一連の豪雨被害でも特に深刻な舟曲県の事例について特殊な原因で起きたと強調する狙いもありそうだ。