いとあはれなるうつけものども

それなりに表情豊かなのであります

くだらない。
花見のための場所取りで、朝早くからブルーシートを敷いて夜を待つ若手社員の映像。東京は小雨混じりの強風だてうに、上野公園では何人もの陣取り番が舞ひ上がる大きなブルーシートを必死で押さえてゐる様子がニュースで流され、偉人の哀感を誘ふ。
夕方のニュースに至っては、女子アナが桜の名所に繰り出し、得体の知れぬ人たちの花見の宴に突撃レポート! 
ブルーシート上に並んだ品物を見てみると、ついさっきそのあたりのコンビニで買ってきました然としたビールやおつまみやお弁当。其処には風流の欠片も無ければ風情も雰囲気も、何一つ風物詩に値するものは見当たらない。
かういふものを真面目に報道だと思ってゐるのかね? (報道するに足る事象であり、報道するに値することと思ってゐるのかね?)
勿論、此処に繰り出した大半の輩は「花見」とは名ばかりで、乱痴気の酒宴が目的なのだから救いやうがない。
それに毎年のことだが、テレビ局お決まりの桜中継。如何にも軽薄さうな美人たちがにこやかに、「一面ピンク色に染まってゐま〜す」だとか「ピンクの花吹雪」だとかのたまっておられる。

桜なのですから「桜色」ではないのですか? 

まあ桜の花の色にも濃淡さまざま有るのだけど、桃色だの茜色だの、日本語には見聞きするだに美しい色の名前が仰山有るのですから、さういふ表現を用ひるが宜しい。
 
で、あるか? で、ないか? 
 

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今天は昼までに雨上がり、午後からは暴風に。我が陋屋はみしみしと軋む。
今朝方の生暖かな大気は何処かに吹き飛び、夕方からはどんどん気温低下。
この春はいろいろのあれこれがちと激し過ぎるやうに感じられるのですが如何?
 

 
 

 
 

 
南方から押し寄せるうねりの波頭は悉く激しい北風に砕かれ、渚に到達する前に消散して仕舞ふのだ。
さすがに今天はサーファーの姿は見当たらない。
 
それにしても夜、寒いではないか!