陰陽の狭間にふと思ふ


冬の寒さも未だ来ぬうちに
三椏は既に花芽で春を待つ
 

街を彷徨ふ魂も
電車通りの石畳の上で
小刻みに震え乍ら
暖かな心の触れ合ひを待ってゐる
木枯らしに実を竦め乍ら
春の欠片を待ってゐる
 

宿り木までもが身を竦め
野鳥の囀りを夢のまにまに
微睡み微笑み春を待つ