秋の告解


   
夜ばかりならず、日中の空気までもが秋を孕む。
気温は高くとも、風の動きや触感、そして天の深浅が秋の訪れを物語る。
庭の片隅や、いつも走ってゐる海岸沿ひの自転車道の傍らにも、秋の気配が忍び寄る。
   
  

 

 

 

 

   
  
減衰する月の影響か、昨夜は予想外に感傷癖が前面にのさばり出て、さまざまなコトバの表面を蝕む。
其の様子は恰も、月の裏側のクレーターの如し。
亦、酸蝕歯の表面の如し。
これだから秋の気配には用心せねばならないてうことなど、高校生の頃からわかってゐたはずなのに此の体たらくだ。
是からの秋本番、今年は山里での工作活動を余儀なくされる為、重々心して取り組まねばなるまいぞ。
   
  

 

   
  
コトバ足らずは気持ち足らず