世界の処し方と我が身の行方に関する覚書き

曜日の感覚が失せ 流星群の時間が脳内を支配する
黄昏を夜明けと誤認し 深夜に於ける月の南中を正午に感じて仕舞ふ
海を渡れば意識は次の位相に展開していくし
水を浴びれば体内の垢離までもが浄化されていくやうな気がする
自分を取り囲む無数のモノが幻像と化し 目に見えないはずの音楽が先に実体化していく
無垢な魂と肉体との遭遇は 自らの精神をも浄化し
浄化された精神の変容は 世界の変化を促進する
今宵ばかりは月の世界の住人も 流星の時空に遊ぶほかは無い
我が身を惜しむ前に 世界を慈しみ
自然を愛でる前に 宇宙を観ぜよ
「ただ観ぜよ」と 常世浪の彼方より
「ただただ観ぜよ」と黄昏の黄金の光の中から
声が聞こえる