宇宙夢中暑中霧中

朝起きてぼんやりと庭の方を眺めてゐると、なんとなく光の具合がおかしい。
雨が降ってゐる気配は無いし、先日のやうに薄暗いわけでもない。
寝ぼけてゐてなかなか思ひ当たる理由が浮かんで来ないので庭に出てみると、原因は濃霧であった。
いつもなら山裾だけは見えてゐる西の山の姿はおろか、庭の柿の木の上の方さへ見えないほどの濃霧。じーっと見てゐると、南方海上より無限に押し寄せる霧の濃淡が連続的に変化し続け、隣家の屋根や庭木の枝葉や、電線や飛ぶ鳥や時に太陽の欠片までもを見せつ隠しつしてゐる。
このやうな幻想的な風景に酔ひしれ浸り乍ら一日をぼんやりと過ごすのもステキだが、ふと我に返ると昨夜から軒先に干しておいた洗濯物が、このままでは更に湿って仕舞ふ懸念を生じ、慌てて家の中に取り込みたりけるよ。
それにしても蒸し暑い。
立秋とは正に、暦の上の記載のみにて、涼風少しも至らず。
霧とも雲とも区別のつかない水蒸気中にゐるわけだから当然のことだが、かういふ日に除湿器などかけてゐたらいったい空気中からどれほどの水分が採取できることだらう。此の水蒸気の上空では恐らく真夏の太陽が激しい殺人光線を照射してゐるのであらう。
其の証拠に、気温ばかりは此の地表を覆ふ水蒸気の温室効果に因って朝から異常に高く、午前10時前だが既に30度には達してゐる。
   

赤羽根海岸、波乗りには理想的な素晴らしい波とうねりが押し寄せてゐたが、五里霧中どころか数メートル先が見えなくなるほどの濃霧で、さすがにサーファーの姿無し。
   

   
   
さて、宮西遺跡。
明天の現地説明会を控え、着実に成果が上がってゐる。
出土する剥片や製品の数は圧倒的に3区が多いが、南端の1区でも続々と製品が発見されつつある。
また、4区の水流脇には、拳大以下の大きめの亜角礫が人為的に集積されたかの如く帯状に展開する遺構?が検出され、モドキ博士を悩ませてゐるのだった。現状では直ちに人工的な遺構とは判断できないが、礫の周縁部からは石器半製品や土器?細片のようなもの、更に炭化物も発見されており、断ち割り調査が必要であろう。
最北端6区はシルト層の除去が終了し、ほぼ全面砂礫層が露呈されたが、既に剥片類が出土。遺物包含層である此の砂礫層の堆積状況が気になるところだが、湧水著しく、何処まで追求できるかは不明。
   

  

  
 
 
 
 

最近各調査区で奇怪な偶像崇拝が流行してゐるやうだ。
  

   
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愛知学院大学考古学教室による宮西遺跡発掘調査、現場説明会
明天8月8日(土)午後1時より 田原市大久保町の調査現場にて
白石教授による説明と、主な出土資料の紹介。同時に発掘調査実習の様子も見学できます。
吉胡貝塚資料館にも、過去の出土資料の展示があるやうです。
なほ、時間有る方は、赤羽根文化会館の考古展示室もご覧下さい。渥美古窯出土資料を中心に、縄文・弥生・古墳時代の主な遺跡出土資料が展示してあります。(無料)
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深夜、百足の気配ではなく、暑さのせいで偉人目覚むの図 in the 繭玉。
皆さんご存知ですか? 蚊帳の中は風通しが悪くなるので、涼しげに見えて結構暑いのですよ!