御役所二題

年金加入記録:去年のいつ頃だったかしらむ、年金特別便が送られてきたので、半ば錆付いた記憶を手繰り寄せて印刷された情報に照合してみると、基本的な一つ二つが欠落してゐることに気付く。
それらの断片的な情報を、手書で書込むには余にも狭い記入欄にイロイロ書いて返送。いつ回答が来るとも知れぬまま幾星霜。そして先日突如、其の結果と称する書類が送られてきた。
曰く、「年金加入記録にかかる調査確認の結果をお知らせいたします。<中略>結果は、別添の「被保険者記録照会回答表」のとおりとなっておりますので、ご確認をお願いいたします。調査に時間を要し、回答が遅くなりましたことについてお詫び申上げます。」
確かに、別添への回答表には3回に亘り厚生年金と国民年金の加入を繰返した経過が記されており、そのうち1件は我輩自身も全く記憶を喪失してゐたものであった。
此の結果を見る限り、申告した内容に関連した事項の発掘に成功しており、恰もきちんと仕事をしてゐるやうに見へる。しかし、そもそも怠慢に因ってこれらの記録を記入漏れしてゐたのは厚生省や年金関係の担当者様たちなのだし、それよりもなによりも、いちばん肝心な問題は「それから」のことだ。
今回の調査で明らかになった、以前の記録から欠落してゐた加入月数が加算された数字、それを此の先いったいだうすればよいのか。
此の結果を以て正式記録が修正されてゐるのか、果して再度自己申告が必要なのか、さいうふ肝心なことが一切案内されてゐないのだ。
これはいったいだういふことか?
再び社会保険庁に尋ねよと言ふことか? 結果が出た以上、既に最寄の役場の管轄に属する要件になるのか?
肝心なのは調査結果が出てからの方ではないのかね?
   
   
定額給付金此の指示書通りに書類に記入し、お前がお前である証明書のコピーと、振込先口座が本人のものであることを証明できる名義と口座番号の記入されたページのコピーを同封して返送し、それらの書類を照合の結果正しければ指定の口座に1万2千円を振込みますだって?
窓口での対応はいたしておりません?
まったく、ヒトをバカにするにもほどがある。
確かに我輩は年に数ヶ月しか働いてゐないので、基本的には貧乏である。年収申告時、窓口の担当者に「生活保護対象の額ですね」と言はれたこともある。だからといって、このやうな激しく意味のない給付金を受け取ってまで、暮しの足しにしやうとは思はない。
そもそも、財源だって所詮我々が過去にお支払した税金なんでしょ。
アホらしいので、申込手続せんかった。

   
兎に角此の世の中の此の人生、御役人様(勿論小役人様ヲ含ム)と係はることほどくだらなく虚しく且つ無駄なことは無い。
時間の浪費以外の、なにものでもなく、人生の浪費である。