巫蠱混沌の術

この家蜘蛛は外見に反して無毒です

二夜連続で百足が出現。
昨夜は10cm級だったが、今夜の個体はまう少し大きい。
昨年は梅雨の前後も殆ど出現なさらず、結局10cm級を2回撃退して終了した記憶があるが、今年は梅雨入り前に既に4匹目だ。
よもや昨年分が先送りになって今年は例年の倍以上出現なさる予兆なのかも知れぬが、今年の特徴は、1匹目を撃退後にまう1匹を捜索しても発見できないことだ。
諺に従ふ限り、周辺には番ひの1匹が必ず潜んでゐるはずだし、過去の経験でも多くの場合は其の通りであった。これではなかなか安心して眠ることが出来ないワケで、旧暦五月の訪れとともに出した蚊帳の裾回りをしつかりと敷き布団の下に巻き込むことしか防ぐ術はない。
とまれ、縄文の昔から、百足は忌嫌われる存在であっただらうし同時に、カミであったはずだ。*1
時に人間様の大人様をも毒牙の一刺しでうち倒し、時に死に至らしむほどの恐ろしき毒虫。それらを一つの壺に集め、最後に生残った虫の持つ濃厚な毒気を用ひて人を呪ふ蠱毒などは、毒虫の暗黒面を最大限に利用した呪術だらう。
我が陋屋に棲息する諸毒虫を用ひ、蠱毒の術を演出することも不可能ではないが、今は防御だけで精一杯・・・
   
   

   
   

  

*1:俵藤太の退治した大百足は、土蜘蛛同様在地旧勢力や古代部族の象徴であらうか。