渦中天

チベット風のバッハ

終日雨。
 
しかも昨夜から夜明けにかけて、予想を遙かに上回る大雨で、いつものやうに我が陋屋に数カ所存在するウィークポイント(隠居部屋、竈の土間など)からは盛大に雨漏りのせるらむよ。
雨雲の動きをレーダー画面で確認してみると、雨雲の発生地域は何時間経っても遠州灘周辺で、其の南方から湧き上がるやうに無限に陸地に押し寄せつつも全体としてはゆっくりゆっくりと東に移動して行く様子は前回の大雨と同じ構造。丸二日間降り続く様子もそっくりで、庭のバケツを見ると、軽く30cm以上の水が溜まってゐるので、それはそれはかなりの大雨であったことがわかる。
 
此の湿気に乗じ、幾多の羽虫に続き、遂に百足様の御出現が相次ぐやうになってきた。幸ひ蚊虫の本格出現は未確認なので、蚊帳吊るのは今少し先になる予定だが、真夜中の百足避けてう意味では早々に準備すべきやもしれない。
ところで、田辺湾や伊勢湾奥に鯨が迷ひ込み、東海地震震源地あたりから湧出する水蒸気が次々と陸地に押し寄せる・・・
ひょっとしてこれらの何気ない現象も、あとになってみれば何かの前兆現象の一部として理解されるのかもしれないし、関係など無いのかもしれない。
しかし、大自然の循環は人間様の感知能力を遙かに超えた規模で巡ってゐるものだらうから、改めて因果律を持ち出すまでもなく、全ての現象は関連してゐることになる。
そしてその循環の中に、人間様の情緒が絡み取られてゐないてう保証は、何処にも無い。