君知るや木苺之郷を


   
自転車道の脇に茂った木イチゴの、其の実も熟れて日に日に光り輝く・・・
それにしても何故に、誰も採らぬ? 何故に、誰も喰はぬ?
このままでは鳥に喰はれ虫に蝕まれ、熟れ熟れて路上に落ち、蟻に運ばれて行くばかり。
それじゃーこれから毎天、我輩が頂戴することにいたしませう。
黄昏岬への往来途上に、虫の如く鳥の如く、3つ4つ5つと摘んで頬張って、初夏の清楚な風味を堪能いたしませう。
取り敢へず初日は山盛りにて・・・
   
  

   
植ゑた覚への無い花ばかりが良く育ち、播ゐた植物の若葉は全て虫に喰はれて全滅せり。
それが世間の定めのやうで御座ゐまして。。。