音無き画像の語るものとは

我が朋友であるフリーカメラマン、久野武志君が単身コンゴに乗り込んで撮影してきた作品群が明天より展示され、トークイベントも開催される。
   

   
“ステルス紛争”540万人の命奪う コンゴの実情、写真展で迫る
2009.4.11 12:35(産経ニュース)
    
   

コンゴの難民キャンプと政府軍兵=2007年(久野武志さん撮影)
    
1990年代半ばに勃発(ぼっぱつ)し「アフリカ大戦」とも呼ばれる国際紛争で、540万人が犠牲になったとされるコンゴ(旧ザイール)。被害の割には報道も少なく、ほとんど知られていないのは問題だとして、大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)は13日から豊中キャンパス(大阪府豊中市)で写真展を開く。
「紛争の実態が知られていない以上、援助のしようもない。まずはこの紛争について多くの人に知ってほしい」。企画したGLOCOLのヴァージル・ホーキンス特任助教(35)はこう話す。
 コンゴでは隣国ルワンダから逃れてきた反政府勢力が難民キャンプを拠点にルワンダへ出撃したことなどを契機に、96年、周辺国が侵攻を開始。ダイヤモンドなどの豊富な鉱物資源の利権争いもあって、一時は周辺8カ国の軍隊が同国領内で抗争を繰り広げ、第二次世界大戦後の国際紛争としては最大の死者を出すに至った。戦闘によって兵士、民間人約40万人が死亡したほか、戦闘による国土荒廃に伴い、約500万人が餓死、病死したという。
   

   
オーストラリア出身で92年から阪大や同大学院で紛争や平和支援活動について研究、コンゴにも滞在経験があるホーキンスさんは、紛争について「いわゆる『忘れられた紛争』ではなく、最初から知られていない『ステルス紛争』だ」と指摘。在日コンゴ大使館も「悲劇が無視され続けることがないよう、この機会にぜひ、できることについて考えてほしい」とのコメントを寄せている。
 豊中キャンパスの「21世紀懐徳堂」で開かれる写真展では、フリーカメラマンの久野武志さん(35)が撮影したコンゴの政府軍兵やゲリラ兵、避難民キャンプや病院などの写真22枚とともに紛争の背景を説明したパネルを展示。17日午後6時からは久野さんとホーキンスさんのトークイベントを開催する。20日までの平日のみ開催。無料。
   

   
  
彼との出会ひは1997年8月、カンボジアシェムリアップの日本人宿、チェンラ・ゲストハウスで。
同年7月1日の、歴史的な香港に於ける中国の主権恢復式典を此の目で確認後、広州から火車鉄路でベトナムに越境し縦断。内戦末期のカンボジアまで足を伸ばした。全てはアンコールワット見たさの冒険的旅程だったが、ベトナムホイアンでは地球人氏と出会ひ、旧サイゴンことホーチミンでは1ヶ月の滞在中に日本からの友人を次々と迎へ、シェムリアップでは地球人氏や久野君をはじめ、さまざまなルートを歩んできた果敢で無謀で愉快な仲間達と出会った。ジャングルの彼方から、銃声とも地雷の爆発音とも知れぬ様々な聞き慣れない音が響き、観光客の姿が消えた無人アンコールワットで過ごした不可思議な時間が今でも脳裏に蘇る・・・
   
http://www.lightstalkers.org/takeshi_kuno
   
久野君とはお互ひの実家が隣町同士てうこともあって帰国後も思ひ出したやうに時折連絡を取り合ってゐたのだが、先日まで潜伏してゐた工作員招待所から近かったこともあり久しぶりに再会し、此の作品展示とトークイベントのことも聞いてゐたのだ。
彼の独特の行動力と、どちらかと言ふと木訥とした真面目な性格は作品にも濃厚に反映されており、我輩の見知らぬ世界の情景を生々しく見せてくれる。爆音を轟かせて飛来するヘリの画面も、子供たちの憂ひを秘めた瞳の輝きを撮すときも、彼のファインダーは常に真摯だ。特にアフリカは、我輩にとってはもっとも縁遠ひ未知の大陸であるだけに、彼の作品を通じて見知っておかねばならない現状が展開してゐるのだてうことを改めて思ひ知る。
   
http://www.glocol.osaka-u.ac.jp/staff/hawkins/index.html
  
ステルス紛争 | 世界の最もひどい暴力が無視されるわけ
  
アフリカビジネス・・・・
     
    
      
     
そしてこちらが、まどろむやうなけふのたそがれ。岬の春は実に官能的だ。