栽培式

不法占拠の畑

ハキリアリでさへキノコを育ててゐるのだから、大学生がベランダで大麻を育ててゐても何ら不思議ではない。
麻はクワ科の一年草で、茎はまっすぐに伸び葉は手のひら状の複葉。雌雄異株、夏に黄緑色の小花をつけ、秋に実が熟す。中央アジア原産で熱帯から温帯にかけて栽培され、茎の皮から繊維を取り、麻糸にする。種子からは油を取る。
    
大麻 - Wikipedia
     
マリファナを自らの意思で直接吸引したことはないが、昔アムステルダムで何気なく入ったカフェが所謂その種の「カフェ」だったワケで、飲み物や食べ物のメニューとは別に、マリファナ関係のメニューが置いてあった。噂では知ってゐたが、実際にさいうふ店に入るのは初めてで、奥の方が妙に煙ってゐて騒がしい店だな、程度にしか感じなかったし、そもそもマリファナの煙の匂ひなど知らんかったので、カフェの中に充満する独特の匂ひを、葉巻かパイプ煙草の煙なのだらうと勝手に思ってゐたくらいだ。
生育中の実物を見たのは中国雲南省昆明でのこと。長期滞在してゐた招待所の外の花壇に、何本かの株がフツーに育ってゐて、同宿の西洋人バックパッカーたちはその脇を通るたびに、愛惜しさうに葉っぱを眺めたり触ったりしてゐた。切り取られた形跡もあったので、部屋で乾燥させて吸引してゐた旅行者もゐたのだらうね。
ハッシシこと大麻樹脂に関しては、同じく雲南省南部のシーサンパンナあたり、少数民族のマーケットに行けば小さく丸めたものを売りつけに何人ものおばばが寄ってくるので、欲しい者はこれまたフツーに買うことが出来た。値段は言ひ値なので多少の交渉は必要だが、当時は誰一人として警戒するそぶりなど無かったので、呆気にとられてしまったほどだ。
また、カンボジアなどではインド系の呼称であるガンジャとして通用してゐて、ゲストハウスのママさんに注文したり、やはりマーケットでお土産物の陰で難無く買ふことが出来た。
(-_-;)
      
ところで我輩は以前、自宅の軒先でケナフを育ててみたことがあるのだが、背丈が1mくらいまでのあいだは其の見てくれが大麻そっくりで、隣のじいさまがいぶかしげに葉っぱを触ったりして独特の樹脂感を確認してゐたことが思ひ出される。爺さんの年齢から推測すれば大麻などは昔はもっと身近にあったらうから、形状なども記憶してゐるはずで、偉人が密かに吸引を目的として栽培してゐるのではないかと怪しんだに違ひない。
ケナフからも大麻同様繊維が取れるが、実は似て非なるもの。3m近い巨木になって晩秋に大きな花をいくつも咲かせるが、茎の棘が厄介だし、家庭で伐採しても紙を漉くワケでもなく、庭に積み置き放置され、吸収された二酸化炭素も大気中に戻って行く・・・
     
ケナフ - Wikipedia