爛熟

忽ち熟す

雨、止まず。
三年前に家を新築した岡崎の友人宅は床上まで浸水し、1階は全滅とのこと。聞けば座敷の箪笥の下2段まで水に浸かり、3段目と上部の観音扉のところは助かったらしい。しかし、ホームセンターで買ってきたプラスティックの衣装ケース(主に子供用衣料やおもちゃなどを入れてゐた)は水に浮いて仕舞ひ横転し、結局全ての中身がダメになった。更に、近代的な台所の床下に設けた収納空間もまるごと水没し、缶詰以外の食料品は全てダメに。兎に角、玄関の靴、台所のもろもろと、六畳間2部屋分の畳12枚をはじめ、家具だの衣料だの、甚大な被害を被って仕舞ったやうだ。
m(_ _)mお見舞ひ申し上げ候
              
勿論、友人宅だけが被害を被ったワケではなく、周辺の住宅地一帯が被害を受けたやうだが、秋雨前線と呼ぶには余りにも過激な降り方だし、梅雨末期にもこれほどの雨は無いだらうと思ふほどの異常さ。
このまま何日も何日も、そして何ヶ月も何年も、雨が止まなかったらだうしやう・・・などと、我がパナリ・ガーデンに設置した満杯の雨受けを眺めつつ、方々で始まった陋屋の雨漏りに悩みつつ、一夜を過ごす。
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秋になって、ミニトマトは収穫前に全て身割れして仕舞ふし、最近ではゴーヤーまでも秋仕様?
まだ外見は青々とした緑色なのに、切ってみると内側は既に熟しかけており、種も赤味を帯びてゐることがしばしばある。矢張りチャンプルーには、若く青く苦みの効いた状態のものでないと美味しくないので、熟してしまったものは種の外側に付く、ほの甘い果肉を食べる他は無い。
思ひ起こせば御幼少時、近所の人(九州出身の人)が庭でゴーヤーとハヤトウリを作ってゐる様子を見てゐた記憶があるが、時々いただくゴーヤーはしばしば調理されることなく台所の片隅で熟してゐたので、我輩は其の果肉を嘗めてゐたのだ。
それにしても、濃い緑色の実が徐々に橙色になり、自然に割れた部分から顔を出す深紅の果肉に覆はれた種の数々。「成熟」と呼ぶよりも、寧ろ「爛熟」と言ふ表現が似合ふやうな、官能的且つ劇的な変化には驚くばかり。
                    
                     
                    
 
                
 
                   

ゴーヤーの変化に似る色彩?