東方行

都会の静寂

数時間の睡眠の後、生温い夜明けと共に目覚む。
先づは果敢に自動車駆つて、ローカル線の始発駅まで30分余り。其処から主要駅まで40分ほど。時間的に通勤通学客多く、相当な混雑。
豊橋からは名鉄の特別快速で小一時間。こちらは意外にも空いてゐたが、座席に座れるほどではない。やうやう大名古屋駅に至り、西口路上に待機せる安価な高速バスの確認手続きに向かふ。
平日にも関はらず乗客はほぼ満員で、矢張り若者が中心の様子。1列4人掛けだが、さほど窮屈感の無い設計。定刻通り、午前10時20分発。都市高速から東名に乗り継ぐ。
いつものJRバスではないため、今回の休憩地は牧ノ原と海老名の2カ所。とりわけ海老名のSAは巨大で、ありとあらゆるものが販売されてゐる。我輩は下車し、物見遊山に商店や食堂の隙間を浮遊するのみ。勿論、長時間座姿勢に起因する血液凝固性障害を予防する意味合ひも有る。
海老名以後はあれよと東名終点になりしかば、首都高も空いてゐて、定刻より半時間ほど早く新宿西口着。京王プラザホテルにも近く、此処でもモード学院の奇抜な建築(建築中)が目を引く。
今回の宿をお願ひしてゐるNKSM氏に電話するも留守電で、暫く駅周辺の雑踏を浮遊。右翼先生の講演などぼんやり眺めてやり過ごす。
このまま連絡待ちでは致し方なしと思ひ、亀戸を目指してJRで。神田まで乗つてしまつた関係で、秋葉原まで出て、総武線乗り換へ。さう言へば昔、亀戸天神に一度来たことがあったっけ。亀戸からはバスで20分ほど。荒川の氾濫原、東砂3丁目からは徒歩10分ほど。本来の下町の町並みが、唐突に高層マンションに侵食されたアンバランスな町。それでも奥の細道、路地の方々や、銀座と称する商店街のいくつかが残ってゐて、町歩きをすればそれなりの楽しみもある。
そんなちぐはぐな町中を、意外にも2度ほど訊ねただけで立派な一軒家を訪ね当て、無事、造形作家で長年の朋友である中島氏と再会。夕刻、ミニストップ経由して、江東区砂町銀座をぶらぶらと端から端まで。
そのうち花子さんも自転車で元気に合流し、3人で楽しく会食せるらむ。
(-_-)       
                
                   
 食卓囲むのは久々のこと
                   
                    
                      
                   
                     

文化のなかの野性―芸術人類学講義

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